サロニアのドライヤーは発火する?事故の真相と危険なサインを解説

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「サロニアのドライヤーを使っていたら火花が出た」「ネットで発火するという噂を見て、買うのが怖くなった」そんな不安を抱えていませんか?毎日髪を乾かすために使うアイテムだからこそ、顔の近くで火花が散ったり、焦げ臭いにおいがしたりするのは本当に怖いですよね。

実は、ドライヤーの発火トラブルや故障の多くは、製品そのものの欠陥というよりも、私たちが無意識に行っている「ある使い方の癖」や、見落としがちな「ホコリ」が原因であるケースが非常に多いのです。

この記事では、美容家電の専門家としての視点から、サロニアのドライヤーに関する発火の噂の真相を徹底的に検証します。実際に過去に起きたリコールの事実関係から、今すぐ確認すべき危険な故障の前兆、そして事故を未然に防ぐための正しいお手入れ方法までを詳しく解説します。

この記事を読むことで、漠然とした不安が解消され、安全にドライヤーを使い続けるための正しい知識が身につくはずです。

この記事のポイント

  • 過去のリコールは2019年製造の特定型番のみであり、現行の製品は安全基準をクリアしている
  • ドライヤーから出る火花や異臭の主な原因は、内部に蓄積したホコリや髪の毛の燃焼である
  • 電源コードを本体にきつく巻き付ける収納方法は、断線やショートを引き起こす最大の要因となる
  • 持ち手の異常な発熱や電源の点滅は、寿命や重大な故障のサインであり直ちに使用を中止すべき
  • 月に1回のフィルター掃除と正しいコード保管を行えば、サロニアは安全に使用できる
目次

サロニアのドライヤーが「発火する」と言われる真相

インターネット上で「サロニア ドライヤー 発火」と検索すると、不安になるような情報が出てくることがあります。しかし、情報を正しく読み解くためには、それが「製品の欠陥」なのか、それとも「使用環境によるトラブル」なのかを冷静に区別する必要があります。

ここでは、過去の客観的なデータと家電の仕組みに基づいて、その真相を解き明かしていきます。

  • 【事実確認】過去のリコール情報と現在の安全性
  • 赤い火花や焦げ臭いにおいの正体とは?
  • 知らずにやっている?発火リスクを高める「コードの扱い」
  • 安いから危険?価格と安全性の関係性をプロが解説

【事実確認】過去のリコール情報と現在の安全性

【事実確認】過去のリコール情報と現在の安全性

まず、最もユーザーが懸念する「過去にリコール(回収・無償修理)があったのか」という点について、事実関係を明確にしておきましょう。結論から申し上げますと、サロニアのドライヤーにおいて過去にリコールが発生したことは事実です。

しかし、それは「全ての製品が危険」という意味ではありません。

具体的には、2019年7月から8月にかけて製造された「型番:SM-D5250」という特定のモデルのごく一部(対象台数853台)において、電源コードの付け根部分の不具合により発煙・発火の恐れがあるとして、2020年に自主回収が行われました。これは製造工程における一時的な不具合によるものです。

ここで非常に重要なのは、現在市場で販売されている現行モデルや、上記期間外に製造された製品には当てはまらないという点です。サロニアを展開するI-ne社をはじめ、日本国内で正規に販売される家電製品は「電気用品安全法(PSE法)」という非常に厳しい法律に基づいて製造・販売されています。

この法律は、発火や感電などの事故を未然に防ぐために厳格な基準を定めており、正規ルートのサロニア製品はこの安全基準をクリアしています。

したがって、「サロニアのドライヤーだから危険」とひとくくりにするのではなく、まずはご自身の製品がリコール対象かを確認することが大切です。現在販売されているモデルは、過去の事例を教訓に品質管理がさらに強化されているため、過度に恐れる必要はありません。

リコール対象かどうかの確認方法
本体の持ち手部分や側面に記載されている「定格ラベル」を確認してください。「製造番号」や「製造年」が記載されています。公式サイトのリコール情報と照らし合わせ、該当しなければ安全に使用できます。

赤い火花や焦げ臭いにおいの正体とは?

赤い火花や焦げ臭いにおいの正体とは?

ドライヤーを使っている最中に、吸込口や吹出口の奥で「チッ」という音と共に赤い火花が見えたり、髪が焦げたような嫌なにおいがしたりした経験はありませんか?これを目撃すると「もうすぐ爆発するのではないか」と恐怖を感じる方も多いでしょう。

この現象の正体は、多くの場合、ドライヤー内部に入り込んだ「ホコリ」や「髪の毛」が、高温になったヒーター(電熱線)に接触して燃焼したときに起こるスパークと呼ばれる現象です。
ドライヤーは構造上、後方の吸込口から大量の空気を吸い込み、内部の真っ赤に熱せられたヒーターの間を通して温風を作り出し、前方に送り出します。このとき、空気中の微細なホコリや、浮遊している髪の毛も一緒に吸い込んでしまいます。

フィルターの掃除を怠っていると、フィルターをすり抜けた微細なホコリが内部に蓄積し、それがヒーターの熱で焼けて「バチッ」と火花を散らすのです。つまり、これはサロニアのドライヤー特有の欠陥ではなく、数万円する高級ドライヤーであっても、ダイソンやパナソニックなどの他社製品であっても、メンテナンスを怠れば同様に発生する物理的な現象です。

特に洗面所などのホコリっぽい場所で使用していたり、フィルターが目詰まりしたまま使い続けたりすると、内部の温度が異常に上昇し、安全装置(サーモスタット)が働いて突然電源が落ちることもあります。

火花は「内部が汚れていますよ」「掃除をしてください」というドライヤーからの危険信号だと捉えてください。放置するとヒーター線の断線に繋がります。

知らずにやっている?発火リスクを高める「コードの扱い」

知らずにやっている?発火リスクを高める「コードの扱い」

実は、ドライヤーの発火事故の原因として、製品の内部故障以上に多いのが「電源コードの断線」によるショートです。そして、この断線を引き起こしているのは、多くの場合ユーザー自身の「収納方法」にあります。

あなたは使い終わったドライヤーを片付ける際、本体や持ち手にコードを「ぐるぐる巻き」にしていませんか?もし心当たりがあるなら、今すぐにその習慣をやめてください。コードをきつく巻き付けると、コードの付け根部分(本体と繋がっている部分)に強い負荷(テンション)がかかり続け、内部の銅線がねじれてちぎれそうになります。

これを「半断線状態」と呼びます。

この状態でコンセントに挿して使用すると、切れている銅線同士が接触したり離れたりすることで火花が飛び(ショート)、被膜を溶かして発煙・発火に至るのです。これは非常に危険な状態で、最悪の場合、使用中にコードが破裂して火傷を負ったり、火災につながったりする恐れがあります。

特にサロニアのようなコンパクトなドライヤーは持ち運びもしやすいため、コードを束ねてポーチに入れたりしがちですが、コードの根元には絶対に負担をかけないように注意が必要です。

コードを結んで保管するのも同様にNGです。

正しい保管方法は、コードを緩く束ねて、マジックテープなどのバンドで留めること。たったこれだけのことで、発火リスクを劇的に下げることができます。

絶対にやってはいけない保管方法

  • 本体にコードをきつく巻き付ける
  • コードを結んで結び目を作る
  • プラグをコンセントに挿したままコードを引っ張る

安いから危険?価格と安全性の関係性をプロが解説

安いから危険?価格と安全性の関係性をプロが解説

サロニアのドライヤーは、数千円台で購入できる手頃な価格も魅力の一つですが、一部では「安いから安全性が低いのではないか?」「部品が粗悪なのではないか?」という懸念の声も聞かれます。

美容家電のプロとして解説すると、「価格が安い=危険」という図式は必ずしも成立しません。

サロニアが安価である主な理由は、機能をシンプルに絞り込んでいることや、広告費・流通コストの削減、そして大量生産によるスケールメリットにあります。決して安全に関わる重要な部品を削っているわけではないのです。日本国内で正規に販売される家電製品は、価格の高低に関わらず、先ほど触れた電気用品安全法(PSE)の基準をクリアしなければなりません。つまり、最低限の安全性は法律によって担保されています。温度過昇防止装置(サーモスタット)温度ヒューズといった安全装置も、サロニアの製品にはしっかりと搭載されています。

高いドライヤーと何が違うの?と思われるかもしれませんが、一番の違いは「耐久品質」です。

数万円クラスの高級ドライヤーには、耐久性の高い「BLDCモーター(ブラシレスモーター)」などが採用されていることが多く、毎日ハードに使っても長持ちします。対して、安価なモデルは一般的な「DCモーター」を使用しているため、消耗が比較的早い傾向にあります。

しかし、これは「危険である」ということではなく、「製品寿命(ライフサイクル)が異なる」と理解すべきです。適切な期間(3〜4年程度)で買い替えを行い、無理な使い方をしなければ、安価なモデルでも十分に安全に使用することができます。

危険サインを見逃さない!正しい対処法と寿命の目安

ドライヤーは一度購入すると、壊れるまでなんとなく使い続けてしまいがちな家電です。しかし、ある日突然火を吹く前に、ドライヤーは必ずいくつかの「SOSサイン」を出しています。

このサインを見逃さず、適切に対処することが、あなたと家族の安全を守る鍵となります。ここでは、具体的な危険信号と、長く安全に使うためのメンテナンス方法を解説します。

  • 「今すぐ使用中止」すべき危険な故障サイン3選
  • 発火事故を防ぐ!サロニア推奨のお手入れ手順
  • ドライヤーの寿命は3〜4年?買い替えの判断基準
  • 次に選ぶなら?安全性が高く髪に優しいドライヤーの条件

「今すぐ使用中止」すべき危険な故障サイン3選

「今すぐ使用中止」すべき危険な故障サイン3選

もし、ご自宅のドライヤーを使っていて以下の症状が一つでも見られた場合は、直ちに使用を中止し、電源プラグをコンセントから抜いてください。これらは「いつ発火してもおかしくない」という非常に危険な状態を示しています。

決して「叩けば直る」「角度を変えれば使える」などと思って使い続けてはいけません。

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危険なサイン 詳細とリスク
コードやプラグが異常に熱い 使用中に電源コードやコンセントに挿したプラグ部分が、触れないほど熱くなっている場合、内部で断線しかかっているか、接触不良を起こしています。そのまま使い続けると被膜が溶けて発火します。
電源が点いたり消えたりする コードを動かすと電源が入ったり切れたりする場合、コード内部の銅線がほぼ断線しています。これはショートして火花が出る直前の状態で、最も火災事故に繋がりやすいサインです。
異音がする・焦げ臭い 「カラカラ」「キーン」といった聞き慣れない金属音や異音がする場合、内部のファンが破損しているか、異物が入り込んでいる可能性があります。また、焦げ臭いにおいはヒーター周辺で何かが燃えている証拠です。

これらの症状が出た場合、修理を依頼するか、新しい製品への買い替えを検討してください。特に、コードの根元付近で断線が起きると、使用中に手元で「バチッ!」とショートし、火傷を負うケースも報告されています。

もったいないと思わずに、安全を最優先してください。

発火事故を防ぐ!サロニア推奨のお手入れ手順

発火事故を防ぐ!サロニア推奨のお手入れ手順

ドライヤーの発火リスクを下げるために、ユーザーができる最も効果的な対策は「定期的なお掃除」です。サロニアも公式に推奨している、月に1回以上行うべき基本のお手入れ方法をご紹介します。これを習慣にするだけで、製品の寿命も大きく延びます。

まず、必ず電源プラグをコンセントから抜いた状態で作業を行ってください。最も重要なのは、本体の後ろ側にある「吸込口(フィルター)」の掃除です。ここには空気中のホコリがびっしりと付着しやすい場所です。

  1. 表面のホコリを取る
    表面についた大きなホコリや髪の毛は、ティッシュや掃除機で吸い取るのが一番簡単で効果的です。掃除機のノズルを吸込口に軽く当てて、詰まったホコリを吸い出してください。

  2. 細かい汚れを掻き出す
    掃除機で取りきれない細かい網目のホコリは、乾いた柔らかい歯ブラシや綿棒を使って優しく掻き出します。このとき、強く押し込みすぎてホコリを内部に押し込まないように注意しましょう。

  3. 仕上げ
    最後にティッシュや乾いた布で表面を拭き取ります。

もし、サロニアのモデルの中で吸込口のカバーが取り外せるタイプをお使いの場合は、カバーを外して水洗いし、完全によく乾かしてから取り付けるとより衛生的です。たった5分程度の作業ですが、これにより風量が回復し、異常な発熱を防ぐことができます。

ホコリが詰まった状態で使い続けると、モーターに負荷がかかり、寿命を縮める大きな原因になります。

水洗いの注意点
フィルターカバーが取り外せる機種であっても、本体そのものは絶対に水洗いしないでください。また、洗ったカバーは完全に乾燥させないと、内部に水分が入り込み故障の原因になります。必ず取扱説明書で仕様を確認しましょう。

ドライヤーの寿命は3〜4年?買い替えの判断基準

ドライヤーの寿命は3〜4年?買い替えの判断基準

そもそも、ドライヤーという家電製品には寿命があることをご存知でしょうか?一般的なドライヤーの寿命は、使用頻度にもよりますが、おおよそ3年から4年程度と言われています。これを時間に換算すると、モーターの稼働時間は約130時間から140時間程度が目安となります。

例えば、家族4人で毎日朝晩ドライヤーを使用する場合と、一人暮らしで夜だけ使用する場合では、寿命が来るスピードは全く異なります。家族が多い家庭では、2年程度で寿命を迎えることも珍しくありません。

サロニアのようなDCモーターを搭載した比較的安価なモデルの場合、プロ用の高耐久モーターを搭載した数万円のモデルに比べると、どうしても消耗が早い傾向があります。これはモーター内部の「カーボンブラシ」という部品が摩耗するためです。

購入してから3年以上経過しており、「なんとなく風が弱くなってきた」「音が以前より大きくなってきた」「温風の温度が安定しない(熱すぎたりぬるかったりする)」と感じる場合は、モーターやヒーターが経年劣化で寿命を迎えている可能性が高いです。

寿命を迎えたドライヤーを無理に使い続けることは、発火や火傷のリスクを高めるだけです。「まだ風が出るから使える」と粘るのではなく、安全のために3〜4年を目安に、不調を感じたら潔く買い替えるのが賢明な判断です。

次に選ぶなら?安全性が高く髪に優しいドライヤーの条件

次に選ぶなら?安全性が高く髪に優しいドライヤーの条件

もし今のドライヤーが寿命や故障で買い替え時だと感じたら、次はより安全性が高く、髪にも優しいモデルを選びたいものです。ドライヤー選びでチェックすべき「安全と品質のポイント」をいくつか挙げます。

まず、「温度過昇防止装置(サーモスタット・温度ヒューズ)」が確実に搭載されていることは大前提です。これは異常発熱時に自動で電源を遮断してくれる命綱です。日本のPSEマークがついている製品なら必ず搭載されていますが、念のため確認しましょう。

次に注目したいのが「フィルター(吸込口)の構造」です。最新のモデルの中には、フィルターが取り外して洗えるものや、ホコリが内部に入りにくい高密度フィルターを採用しているものがあります。

日々のメンテナンスのしやすさは、ホコリによる発火事故を防ぐ上で非常に重要です。

また、予算に余裕があるなら、耐久性の高い「BLDCモーター(ブラシレスDCモーター)」を搭載したモデルも検討の価値があります。摩耗部品が少ないため寿命が長く、風量もパワフルです。

最後に、コードの作りもしっかり確認しましょう。根元が補強されているものや、ねじれにくい太めのコードを使っているものは、断線リスクが低く安心です。デザインや価格だけでなく、こうした「安全設計」や「メンテナンス性」に目を向けることで、より長く安心して使えるドライヤーに出会えるはずです。

総括:サロニアの発火リスクは正しい知識とケアで回避できる

この記事のまとめです。

  • 過去のリコールは2019年製の一部型番のみであり現行モデルは安全基準を満たしている
  • 「サロニアだから発火する」という事実はなく他社製品と同様に使用者の管理が重要になる
  • 火花や焦げ臭さの主な原因は吸込口から内部に侵入したホコリや髪の毛の燃焼である
  • 電源コードを本体にきつく巻き付けて保管すると内部断線を招き発火の最大要因となる
  • コンセントの抜き差しはコードを引っ張らずに必ずプラグ本体を持って行う必要がある
  • 使用中にコードが異常に熱くなる場合は断線の兆候であり直ちに使用を中止すべきである
  • 電源が勝手に点滅したり途切れたりする現象はショート寸前の危険なサインである
  • 異音や金属音が聞こえる場合は内部ファンやモーターの故障の可能性が高い
  • 月に1回は掃除機や綿棒を使って吸込口のホコリを除去するメンテナンスが必須である
  • フィルター掃除を怠ると風量低下や異常加熱による安全装置の作動を引き起こす
  • 一般的なドライヤーの寿命目安は3年から4年程度であり不調を感じたら買い替える
  • サロニア等の安価なモデルは高級機に比べてモーター寿命が早い傾向があることを理解する
  • 日本国内の正規販売品はPSEマークを取得しており基本的な安全設計は担保されている
  • 使用中に異常を感じたら「叩けば直る」と思わずにメーカーへ相談するか廃棄する
  • 正しい収納と定期的な掃除を行えばサロニアはコストパフォーマンスの高い安全な製品である
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この記事を書いた人

家電好きなブロガー。
ドライヤーの機能や使い方を、みんなにわかりやすくお届けします。

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