髪は自然乾燥の方がサラサラになる?プロが教える真実と美髪ドライ術

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毎日のバスタイム後、ドライヤーで髪を乾かすのが面倒で、「自然乾燥の方がなんとなく髪がしっとりしてサラサラになる気がする」と感じたことはありませんか。熱によるダメージを避けられるため、一見すると髪に優しいように思える自然乾燥ですが、実はその手触りの裏には、髪の寿命を縮める意外な落とし穴が潜んでいます。

この記事では、2025年現在の最新ヘアケア理論と美容家電のエキスパートとしての視点から、なぜ自然乾燥でサラサラに感じるのかという疑問の正体と、髪の健康を守りながら本当のツヤ髪を手に入れるための科学的なアプローチを徹底解説します。

正しい知識とドライヤー技術を身につければ、あなたの髪は今よりもっと美しく生まれ変わります。

この記事のポイント

  • 自然乾燥で感じるサラサラ感は、髪内部に残った過剰な水分や固まった油分による一時的な錯覚である
  • 濡れた髪はキューティクルが開ききっており、枕などの摩擦ダメージを最も受けやすい状態にある
  • 頭皮の「生乾き」は雑菌の温床となり、酸化した脂のようなニオイや将来の薄毛リスクを招く
  • 2025年の最新ドライヤー技術と正しいブロー法を用いれば、熱ダメージはほぼ完全に防ぐことができる
目次

髪は自然乾燥の方がサラサラになる?美容師も驚く真実と誤解

  • 自然乾燥でサラサラに感じるのは「水分の錯覚」かもしれない
  • ドライヤーを使うとパサつく原因は「熱」と「乾かしすぎ」
  • 放置は危険!自然乾燥が引き起こす3つの深刻なダメージ
  • 科学的に証明された「髪に最適な水分量」とキューティクルの関係
  • クセ毛やうねりが気になる人こそ自然乾燥を避けるべき理由
  • 頭皮環境への影響と「ニオイ・薄毛」リスクの真実

自然乾燥でサラサラに感じるのは「水分の錯覚」かもしれない

自然乾燥でサラサラに感じるのは「水分の錯覚」かもしれない

「ドライヤーをかけると髪が膨らんでバサバサになるけれど、自然乾燥だとボリュームが落ち着いてサラサラしている」と感じる方が一定数いらっしゃいます。しかし、美容家電や最新の毛髪科学の観点から厳密に分析すると、その「サラサラ感」の正体は、髪本来の健康的なツヤではなく、髪内部に過剰に残った水分による重み、あるいは髪表面の温度が下がって油分が固まったことによる一時的な質感である可能性が極めて高いです。

ドライヤーの熱風で適切に乾かすと、髪は温まりながら余分な水分が飛び、本来の軽やかさが生まれます。しかし、自然乾燥の場合、表面は乾いているように見えても、髪の中心部(コルテックス)には過剰な水分が長時間残留し続けます。

この水分の重みが髪を下に引っ張り、見かけ上のボリュームを抑え込んでいるのです。これは「しっとりしている」のではなく、「湿っている」状態に近いと言えます。

また、シャンプーやトリートメントに含まれる油分や皮脂は、バターのように温度が低いと固まり、温めると溶ける性質があります。自然乾燥では髪の温度が上がらないため、これらの油分が髪表面にベットリと張り付いたまま固まりやすくなります。

これにより、指通りが滑らかになったように錯覚しますが、これはキューティクルが整ったツヤではなく、油膜によるコーティングに近い状態です。そのため、翌朝になって水分バランスが崩れると、寝癖がひどかったり、急激なパサつきを感じたりするのは、この「偽りのサラサラ」が剥がれ落ちた結果なのです。

ドライヤーを使うとパサつく原因は「熱」と「乾かしすぎ」

ドライヤーを使うとパサつく原因は「熱」と「乾かしすぎ」

「ドライヤーは髪を傷める」という根強いイメージをお持ちの方も多いですが、現代のヘアケア理論において、ドライヤーという道具自体が悪者というわけではありません。ドライヤーを使って髪がパサついたり広がったりしてしまう最大の原因は、実は道具のせいではなく、ユーザー自身の「熱の当てすぎ(熱変性)」と「乾かしすぎ(オーバードライ)」という使用方法の誤りにあります。

髪の主成分であるタンパク質(ケラチン)は、熱に対して非常にデリケートです。一般的に、髪が乾いた状態で約130℃以上、濡れた状態ではわずか60℃前後から熱変性(タンパク変性)のリスクが高まるとされています。これは生卵がゆで卵になるように、髪が硬くなり、一度変性すると二度と元には戻らない不可逆的な変化です。古いドライヤーや温度調整機能のないモデルを至近距離(10cm以内など)で当て続けたり、同じ場所に温風を集中させたりすると、髪の表面温度が急上昇し、この熱変性を引き起こしてしまいます。これが「ドライヤーで髪が硬くパサつく」物理的な正体です。

さらに、乾かしすぎ(オーバードライ)も深刻な問題です。健康な髪には「結合水」と呼ばれる、髪の構造維持に不可欠な水分が含まれていますが、過度な熱風はこの必要な水分まで蒸発させてしまいます。

その結果、キューティクルが剥がれやすくなり、内部の栄養分(マトリックス)が流出し、枝毛や切れ毛の原因となります。つまり、自然乾燥の方がマシだと感じるのは、誤ったドライヤー使用によるダメージと比較しているからに過ぎず、正しいドライヤーの使い方さえマスターすれば、自然乾燥よりも遥かに高品質で柔らかな質感を手に入れることが十分に可能なのです。

ドライヤーによるダメージを防ぐ2大原則

  • 距離感: 髪から20cm程度離し、常にドライヤーを振って熱を分散させる。
  • 温度管理: 濡れた髪には高温を当てすぎず、8割乾いたら温度を下げるか冷風を交える。

放置は危険!自然乾燥が引き起こす3つの深刻なダメージ

放置は危険!自然乾燥が引き起こす3つの深刻なダメージ

自然乾燥には「熱ダメージがない」という唯一のメリットがある一方で、髪と頭皮にとっては看過できない重大なリスクが潜んでいます。多くの専門家が「自然乾燥は百害あって一利なし」と警鐘を鳴らす理由は、主に以下の3つのダメージメカニズムにあります。

第一に、「物理的ダメージへの極端な脆弱性」です。髪の表面を覆うキューティクルは、水に濡れると開き、乾くと閉じるという性質を持っています。自然乾燥では数時間単位でキューティクルが開いた無防備な状態が続きます。この状態で枕や衣類と擦れたり、手で触れたりすると、開いたキューティクル同士が噛み合い、容易に剥がれ落ちてしまいます。濡れた髪をタオルでゴシゴシ拭いてはいけないのと同様に、濡れたまま放置して寝具と摩擦させることは、髪を紙やすりで削っているようなものであり、切れ毛や枝毛の直接的な原因となります。

第二に、「髪内部の成分流出」です。キューティクルは髪の門番の役割を果たしていますが、これが開いている間、髪内部のタンパク質や水分、ヘアカラーの色素などは常に流出しやすい状態にあります。自然乾燥で時間をかけて乾くのを待っている間、髪の大切な栄養分であるCMC(細胞膜複合体)などが水分と共にじわじわと外に逃げ出しています。これにより、サロンで染めたヘアカラーの退色が早まったり、髪の中がスカスカになる「空洞化(ダメージホール)」が進行したりします。

第三に、「頭皮環境の悪化」です。これが最も深刻な問題と言えます。濡れた頭皮は湿度が高く、体温も相まって雑菌にとって絶好の繁殖場所となります。これは生乾きの洗濯物が臭くなるのと同じ原理です。常在菌であるマラセチア菌などが異常繁殖し、頭皮の不快なニオイ、激しい痒み、フケ、さらには脂漏性皮膚炎などの炎症を引き起こす原因となります。長期的な視点で見ると、土壌である頭皮が弱ることで、健康な髪が生えにくくなり、薄毛や抜け毛のリスクにも直結します。

科学的に証明された「髪に最適な水分量」とキューティクルの関係

科学的に証明された「髪に最適な水分量」とキューティクルの関係

「美しい髪」とは具体的にどのような状態を指すのでしょうか。科学的に定義すると、それは単に乾いていることではなく、髪内部に約11〜13%の水分が保持され、かつ表面のキューティクルが鱗のように隙間なく閉じている状態です。この理想的な水分バランスと表面構造を作るためには、自然乾燥の成り行き任せでは不可能であり、ドライヤーによる意図的なコントロールが不可欠です。

キューティクルは、タケノコの皮や魚の鱗のように重なり合っていますが、濡れるとこの鱗が開きます。開いたキューティクルをきれいに閉じて整えるには、「根元から毛先に向かって風を当てる」という物理的な風圧のアクションと、「温風で乾かして形を作り、冷風で冷やして固定する」という温度変化が必要です。

自然乾燥では、重力やクセの影響を受けてキューティクルが開いたまま、あるいはめくれ上がった状態で乾いてしまうことが多く、手触りがザラザラしたり、光が乱反射してツヤが出にくかったりします。

また、髪の形状決定に重要な水素結合という性質も理解する必要があります。髪は水に濡れると内部の水素結合が切れ、乾く瞬間に再結合して形が固定されます。ドライヤーを使えば、髪を真っ直ぐに整えながら瞬間的に乾かして結合を固定できるため、うねりやクセを抑えた「面」の整ったツヤ髪を作ることができます。一方、自然乾燥では時間をかけてゆっくりとランダムに結合していくため、寝癖やうねりがそのままの形で強固に固定されやすく、結果としてボサボサでまとまりのない髪に見えてしまうのです。

クセ毛やうねりが気になる人こそ自然乾燥を避けるべき理由

クセ毛やうねりが気になる人こそ自然乾燥を避けるべき理由

日本人の約7割が悩んでいると言われる「くせ毛」や「うねり」。もしあなたがこれらの悩みを抱えているなら、自然乾燥は最も避けるべき行為です。なぜなら、くせ毛の広がりを抑え、扱いやすい髪にする鍵は「乾燥スピード」と「テンション(軽く引っ張る力)」にあるからです。

くせ毛は、毛髪内部の2種類のタンパク質(オルソコルテックスとパラコルテックス)の分布が不均一であったり、毛穴自体が曲がっていたりすることで、乾燥する過程でねじれが生じやすい性質を持っています。

自然乾燥のように時間をかけて水分が抜けていくと、髪は本来のくせの形状に戻ろうとする力が強く働き、うねりが最大限に出た状態で水素結合が固定されてしまいます。特に湿度が高い日や梅雨時期に髪が広がるのは、空気中の水分を吸って水素結合が切れ、くせが出てしまうためですが、自然乾燥はこれをお風呂上がりに毎日行っているようなものです。

逆に、お風呂上がりの濡れた状態(水素結合が切れて柔らかくなっている状態)から、ドライヤーの風で髪を軽く引っ張りながら(テンションをかけながら)短時間で乾かすことで、くせを伸ばした真っ直ぐな状態で再結合させることができます。

これは美容室でのブローと同じ原理です。「自然乾燥の方がボリュームが落ちる」と感じるくせ毛の方もいますが、それは一時的に水分で重くなっているだけで、完全に乾けばパサつきとともに爆発的な広がりを見せることがほとんどです。

まとまりのあるツヤ髪を目指すなら、ドライヤーでのコントロールは必須条件です。

水素結合と湿度の関係
髪の水素結合は水によって簡単に切断されます。ブローで真っ直ぐにしても、雨の日にうねるのは湿気(水分)で結合が切れて元のクセに戻るためです。自然乾燥はこの「元に戻る力」を放置する行為といえます。

頭皮環境への影響と「ニオイ・薄毛」リスクの真実

頭皮環境への影響と「ニオイ・薄毛」リスクの真実

髪の美しさ(毛先のケア)ばかりに目が行きがちですが、ドライヤーを使わないことによる最大のリスクは、実は「頭皮」にあります。頭皮は豊かな髪を生み出すための畑(土壌)であり、この環境が悪化すると、どれほど高価なトリートメントを使っても美しい髪は育ちません。

自然乾燥派の方が知らず知らずのうちに発生させているのが、頭皮の「酸化した脂のような独特のニオイ」です。これは、頭皮に残った水分と皮脂が混ざり合い、雑菌(特に常在菌であるマラセチア菌など)が分解することで発生する揮発性の脂肪酸(ノネナール等)などが原因です。

梅雨時に洗濯物を部屋干しした時のあの嫌なニオイと全く同じメカニズムが、あなたの頭皮上で起こっていると考えてください。特に髪の量が多い方や長い方は、頭皮付近の通気性が悪く、何時間も高温多湿の「蒸れ」た状態が続くため、菌にとっては楽園となってしまいます。

さらに深刻なのは、菌の繁殖が引き起こす炎症です。頭皮が炎症を起こすと、毛根にある毛母細胞やバルジ領域といった髪を作る工場にダメージが及び、健康な髪の成長サイクル(ヘアサイクル)が乱れます。

これが進行すると、抜け毛の増加や、将来的な薄毛・細毛の原因となり得ます。「ドライヤーの熱が頭皮に悪い」と心配する声もありますが、適切な距離(15〜20cm以上)を保ち、同じ場所に当て続けなければ、熱による頭皮ダメージは防げます。

むしろ、濡れたまま放置することによる細菌リスクの方が、頭皮の健康にとっては遥かに脅威なのです。

頭皮トラブルのサイン

  • 洗ったはずなのに頭皮が脂っぽい、または臭う
  • フケが湿っている(脂性フケ)
  • 頭皮が赤みを帯びている、痒みがある
    これらの症状がある場合、自然乾燥による常在菌バランスの崩壊が疑われます。直ちに完全ドライの習慣をつけてください。

誰もが振り返るツヤ髪へ!プロが教える「絶対サラサラ」ドライヤー術

  • タオルドライで勝負は決まる!摩擦ゼロの吸水テクニック
  • 美容家電のプロが推奨する「温風」と「冷風」の使い分け
  • アウトバストリートメントの効果を最大化するタイミング
  • 根本から乾かすのが鉄則!ボリュームコントロールの極意
  • 最新ドライヤーの選び方:風量・温度制御・イオン機能の重要性
  • 翌朝のセットが楽になる「8割ドライ」からの仕上げ方

タオルドライで勝負は決まる!摩擦ゼロの吸水テクニック

タオルドライで勝負は決まる!摩擦ゼロの吸水テクニック

ドライヤーの時間を短縮し、熱ダメージを最小限に抑えるための最重要ステップ、それが「タオルドライ」です。多くの人が何気なく行っていますが、ここでの水分の拭き取り方ひとつで、ドライヤーをかける時間が半分になり、仕上がりのサラサラ感も劇的に変わります。

目標は「水滴が全く落ちない状態」まで持っていくことです。

まず、絶対にやってはいけないのが、ワシャワシャとタオルで髪をゴシゴシ擦ることです。濡れてキューティクルが開いた髪同士を摩擦させると、深刻なダメージを与えてしまいます。正しい方法は、まず頭皮の水分を拭き取ることです。タオルを頭から被り、指の腹を使って頭皮を優しくマッサージするように、地肌の水分をタオルに吸わせていきます。

次に、毛先の水分です。髪をタオルで包み込み、優しく握るようにして水分をタオルに移します(プレス法)。パンパンと叩いたり擦ったりするのは厳禁です。ロングヘアの方は、吸水性の高いマイクロファイバータオルや、美容師が開発した専用のヘアドライタオルを使用するのも非常に効果的です。

一般的な綿のタオルよりも吸水速度が速く、摩擦も少ないためおすすめです。ポタポタと水が垂れなくなるまで、しっかりと、かつ優しく水分を取り除くことで、ドライヤーの熱を当てる時間を大幅に減らすことができます。

この「下準備」こそが、プロのような仕上がりへの第一歩です。

美容家電のプロが推奨する「温風」と「冷風」の使い分け

美容家電のプロが推奨する「温風」と「冷風」の使い分け

ドライヤーには必ずついている「冷風」機能。夏場に涼むためだけに使っていませんか?実はこの冷風こそが、プロの美容師が作るような「ツヤ」と「まとまり」を生み出す魔法のスイッチなのです。

温風と冷風の役割を明確に理解し、使い分けることが美髪への近道です。

温風(HOT)の主な役割は、水分を蒸発させることと、髪の水素結合を切って形を変えやすくすることです。髪全体の8〜9割程度までは、この温風を使って素早く乾かします。

この時、一箇所に熱が集中して髪の温度が上がりすぎないように、ドライヤーを左右に振ったり、手ぐしを通して髪を散らしたりしながら熱を分散させることが大切です。

そして仕上げの「冷風(COOL)」です。冷風の役割は、開いたキューティクルを引き締めて閉じること、そして整えた髪の形を固定(形状記憶)することです。物質には熱を持つと柔らかくなり、冷えると固まる性質(可塑性)があります。

ほぼ乾いた状態で、上から下へ向かって冷風を当てることで、キューティクルが綺麗に閉じ、光を反射する「天使の輪」のようなツヤが生まれます。また、冷やすことで髪内部の水分が閉じ込められ、オーバードライを防ぐ効果もあります。

「温風で形を作り、冷風で固定してツヤを出す」。このひと手間を加えるだけで、サロン帰りのような手触りが再現できます。

美容室で最後に冷たい風を当てられるのは、単に頭を冷やすためではなく、ツヤ出しとスタイルの固定を行っているからなんですよ。

アウトバストリートメントの効果を最大化するタイミング

アウトバストリートメントの効果を最大化するタイミング

ドライヤーの熱から髪を守り、さらに質感向上を狙うなら、洗い流さないトリートメント(アウトバストリートメント)の使用は必須です。しかし、ただなんとなくつけているだけでは、その効果を半減させてしまっているかもしれません。最も効果的なタイミングは、お風呂上がりの「タオルドライ直後」かつ「ドライヤーの前」です。

髪が濡れている状態は、キューティクルが開いており、トリートメント成分が内部まで浸透しやすい絶好のチャンスです。オイルタイプ、ミルクタイプ、ミストタイプなど髪質に合わせて選びますが、基本的には「毛先」を中心に、中間部分まで馴染ませます。

根元につけるとベタつきやボリュームダウンの原因になるので避けてください。

つける際は、手のひら全体に広げ、手ぐしを通すようにして髪一本一本に行き渡らせます。目の粗いコームで優しくとかすとさらに均一に馴染みます。これにより、トリートメント成分がドライヤーの熱に反応して髪を保護する膜を作り(ヒートプロテクト効果)、急激な水分の蒸発を防ぎながら、サラサラとした質感に仕上げてくれます。

また、乾かした後にもう一度少量を毛先に重ね付けすると、乾燥防止とツヤ出しのダブル効果が期待できます。

根本から乾かすのが鉄則!ボリュームコントロールの極意

根本から乾かすのが鉄則!ボリュームコントロールの極意

「毛先は乾いているのに、根元が湿っている気がする」「乾かすのに時間がかかる」。ドライヤーが苦手な方に多いのがこの現象です。実は、髪を早く、綺麗に乾かすための鉄則は「根元から乾かす」ことです。毛先は毛量が少なく傷みやすいため乾燥が早い一方、根元は密度が高く乾きにくいため、毛先から乾かし始めると、根元が乾く頃には毛先がオーバードライでパサパサになってしまいます。

ドライヤーの風は、まず後頭部や耳後ろなどの毛量が多く乾きにくい部分の「根元」に送り込みます。片手で髪をかき分け、地肌に風を当てるイメージです。根元が乾いてくると、その余熱と風が中間から毛先へと流れ、自然と全体が均一に乾いていきます。

また、この時に風を当てる方向でボリュームをコントロールできます。トップのボリュームを出したい場合は、髪の生え癖に逆らうように根元を持ち上げて、根元に風を送り込みます。

逆にボリュームを抑えたい場合は、上から下へ、頭の丸みに沿って手で押さえながら撫でつけるように風を当てます。前髪のクセやパックリ割れも、根元が濡れているうちに左右から風を当てて「根元の方向」を修正することで、まっすぐ綺麗に下ろすことができます。

根元のコントロールこそが、スタイル全体の完成度を左右するのです。

最新ドライヤーの選び方:風量・温度制御・イオン機能の重要性

最新ドライヤーの選び方:風量・温度制御・イオン機能の重要性

もしあなたが10年物の古いドライヤーを使っているなら、買い替えを検討するだけで髪質が劇的に改善する可能性があります。2025年現在、美容家電の進化は目覚ましく、ドライヤーは単なる「乾燥機」から「美髪製造機」へと進化しています。

選ぶ際に注目すべきスペックは「大風量」「温度制御」「イオン技術」の3点です。

まず「大風量」です。風量が強ければ(目安として1.5㎥/分以上、理想は2.0㎥/分クラス)、熱の力だけでなく風の物理的な力で水分を吹き飛ばせるため、速乾性が高まり、髪への熱負担を劇的に減らせます。

次に重要なのが「温度制御(センシング機能)」です。最新の上位モデルには、髪の表面温度をセンサーで感知し、自動で温風と冷風を切り替えたり、温度を調整したりして、熱変性を防ぐAI機能などが搭載されています。

これにより、テクニックいらずで誰でもプロのような温度管理が可能になります。

そして「イオン機能」。メーカーによってナノイー、プラズマクラスター、ハイドロイオンなど名称は異なりますが、マイナスイオンや微細な水分粒子を放出する機能は、静電気を抑制し、髪のまとまりを良くする効果が実証されています。

特に冬場の乾燥時期には、この機能の有無で仕上がりのアホ毛や広がりに大きな差が出ます。

スクロールできます
機能 重要性 メリット
大風量 ★★★ 速乾性が上がり、熱を当てる時間が減る(熱ダメージ減)
温度制御 ★★★ 「熱変性」を自動で防ぎ、ツヤを守る
イオン ★★☆ 静電気抑制、しっとりしたまとまり感の向上

翌朝のセットが楽になる「8割ドライ」からの仕上げ方

翌朝のセットが楽になる「8割ドライ」からの仕上げ方

ドライヤーで髪を乾かす際、最初から最後まで同じように漫然と風を当てていませんか?プロは乾き具合に応じて乾かし方を変化させています。髪全体が8割ほど乾いたタイミング(触ると少し湿り気がある程度)からの「仕上げ」の工程が、翌朝のスタイリングの手間をゼロにする鍵となります。

8割ドライまでは、根元中心にワシャワシャと豪快に乾かしてOKです。しかし、そこからは「整える」モードに切り替えます。手ぐしで髪を軽く引っ張りながら(テンションをかけながら)、ドライヤーの風を「上から下」へ、キューティクルの流れに沿って当てます。真横や下から風を当てるとキューティクルが逆立ってバサバサになるので注意してください。この工程により、髪のうねりが伸び、面が整います。

この段階で、先ほど紹介した「冷風」を積極的に使います。温風でくせを伸ばし、冷風で固定する。これを繰り返しながら完全に乾かします。特に顔周りや毛先の内巻きなど、形を作りたい部分は念入りに行います。

完全に乾ききったら、最後に全体に冷風を当てて熱を逃がします。こうして夜のうちに完璧な土台を作っておけば、寝癖もつきにくく、翌朝は軽くブラッシングするだけでサラサラのツヤ髪が再現されます。

朝の貴重な時間を節約するためにも、夜のドライヤーには「仕上げの美学」を取り入れましょう。

総括:自然乾燥の「サラサラ」は一時的な錯覚。本物の美髪は「科学的なドライヤー術」でしか作れない

この記事のまとめです。

  • 自然乾燥でサラサラと感じるのは水分残りや油分の固まりによる一時的な質感であり、髪本来の健康なツヤではない
  • 濡れた髪はキューティクルが開きっぱなしになり、寝具との物理的摩擦に極めて弱くダメージを受けやすい
  • 自然乾燥は頭皮の雑菌繁殖を招き、不快なニオイ、痒み、そして将来の薄毛リスクを高める危険な行為である
  • ドライヤーによるパサつきの主原因は、道具ではなく「熱の当てすぎ(距離・温度)」と「オーバードライ」にある
  • 最新のドライヤーは温度制御機能により、過度な温度上昇を防ぎ、熱ダメージを未然に防いでくれる
  • 髪のツヤは、適切な水分量が保たれ、キューティクルが整い光を綺麗に反射することで生まれる
  • キューティクルを閉じてツヤを出すには、上から下への風の流れと、温風後の冷風による引き締めが必須である
  • くせ毛やうねりを抑えるには、濡れている時のドライヤーによるテンション(引っ張り)と形状記憶が最も効果的である
  • タオルドライで優しく、かつしっかりと水分を拭き取るだけで、ドライヤー時間と熱ダメージリスクは大幅に減る
  • アウトバストリートメントはドライヤーの熱から髪を守る盾となり、仕上がりの質感を向上させる
  • 根元から乾かすことで、毛先のオーバードライを防ぎつつ、トップのボリューム調整が可能になる
  • 温風で乾かした後に冷風を当てることで、髪のツヤとスタイルが固定され、翌朝の寝癖も軽減される
  • 2025年基準の高風量・温度制御付きドライヤーを選べば、テクニック要らずで髪に優しいケアが可能になる
  • 本当の美髪を目指すなら、リスクだらけの自然乾燥は卒業し、正しいドライヤー習慣を身につけるべきである
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この記事を書いた人

家電好きなブロガー。
ドライヤーの機能や使い方を、みんなにわかりやすくお届けします。

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