「海外旅行にお気に入りのドライヤーを持っていきたい!」そう考えていませんか?ですが、ちょっと待ってください。日本のドライヤーをそのまま海外で使うと、故障や火災の原因になりかねません。この記事では、美容家電のプロが「ドライヤーの海外旅行」に関する疑問、特に電圧の違い、変圧器や変換プラグの正しい知識、安全な選び方、飛行機への持ち込みまで、徹底的に解説します。この記事を読めbば、海外でも安全に髪の美しさをキープする方法がわかります。
- 日本のドライヤーが海外で使えない理由
- 変圧器の使用が推奨されない本当の訳
- 海外対応ドライヤーの正しい選び方
- 荷物を減らす旅先の美髪キープ術
海外旅行でドライヤーが使えない?電圧と安全性の全知識
- 日本のドライヤーが海外でNGな本当の理由
- 「変圧器があれば大丈夫」の大きな落とし穴
- 変換プラグと変圧器は別物です
- ホテルの備え付けドライヤーは期待できる?
日本のドライヤーが海外でNGな本当の理由

海外旅行の準備で、いつも使っている高性能なドライヤーを持っていくべきか悩む方は多いでしょう。特に、ダイソンやパナソニック(ナノケア)、リファといった高級モデルをお使いの方は、「旅先でも最高のヘアケアをしたい」と思うはずです。
しかし、ここで美容家電のプロとして、最も重要な警告をしなければなりません。ほとんどの日本国内専用ドライヤーは、海外では絶対に使えません。
その理由は、「電圧(V)」が世界各国で異なるためです。日本の家庭用コンセントの電圧は100V(ボルト)ですが、これは世界的に見ても非常に稀な低い電圧です。
例えば、アメリカやハワイ、カナダは110V〜120V、ヨーロッパや中国、韓国、オーストラリアの多くの国では200V〜240Vが主流です。この「電圧の差」こそが、最大の問題なのです。
100V専用設計のドライヤーに、240Vのような想定外に高い電圧を流すとどうなるでしょうか。内部のヒーターやモーターに一瞬で過剰な電流が流れ、「バチッ」という音とともに火花が散り、発煙・発火する恐れがあります。製品が故障するだけでなく、ホテルのブレーカーを落としたり、火災や火傷につながる重大な事故を引き起こす可能性があり、国民生活センターからも注意喚起がなされています。
警告:100V専用ドライヤーは絶対に使用禁止
お持ちのドライヤー本体や電源プラグに「100V」や「AC100V」としか書かれていない場合、それは「日本国内専用モデル」です。海外のコンセントには絶対に差し込まないでください。
「変圧器があれば大丈夫」の大きな落とし穴

「それなら、電圧を変換する『変圧器』を持っていけばいいのでは?」と考える方もいるでしょう。確かに変圧器は、海外の高い電圧を日本の100Vに下げるための機器です。
しかし、ここにも大きな落とし穴があります。それは「消費電力(W)」の問題です。
ドライヤーは、大量の熱と風を生み出すため、家電の中でも特に消費電力が大きい「熱器具」に分類されます。一般的なドライヤーは1200W〜1500Wもの電力を必要とします。
旅行用の安価でコンパクトな変圧器の多くは、スマホの充電(数W)や小型の電気シェーバー(数十W)程度にしか対応していません。そのような小型変圧器に1200Wのドライヤーを接続すれば、変圧器が容量オーバーで過熱し、変圧器自体が発熱・発火する危険性があります。
では、1500Wに対応できる大容量の変圧器ならどうでしょうか?例えば、カシムラ社が販売する1500W対応の変圧器(WT-13EJ)の本体重量は、約6.0kg(パッケージ重量を含めると約6.2kg)もあります。これだけでスーツケースの重量制限の大半を占めてしまい、旅行の荷物としては全く現実的ではありません。
さらに専門的な話をすると、熱器具やモーター内蔵製品の場合、起動時の突入電流を考慮して、「消費電力の3倍以上」の定格容量を持つ変圧器が推奨される場合があります。ただし、メーカーや安全基準により「消費電力の1.25倍以上」など異なる基準が存在するため、購入時には変圧器メーカーの取扱説明書で確認することが重要です。つまり、ドライヤーを変圧器で使うという選択肢は、安全面でもコスト面でも、そして重量面でも「非推奨」なのです。

変換プラグと変圧器は別物です


海外旅行の準備をしていると、「変換プラグ」という言葉も目にするでしょう。ここで、多くの人が致命的な勘違いをしています。
・変換プラグ (Adapter)
これは、コンセントの「先端の形状」を、渡航先のコンセントの穴に合わせるためだけのアダプターです。電圧(V)を変える機能は一切ありません。
・変圧器 (Transformer)
これは、電圧(V)そのものを変換する(例:240Vを100Vに下げる)ための機器です。
最も危険な間違いは、「100V専用ドライヤー」に「変換プラグ」だけを装着して、海外の200Vコンセントに差し込むことです。前述の通り、電圧が合っていないため、ドライヤーは一瞬で壊れ、発火する可能性があります。
海外旅行で電化製品を安全に使うための正しい組み合わせを、以下の表で確認してください。
| シナリオ | 使用する機器 | 結果 | 解説 |
|---|---|---|---|
| 日本の100V専用ドライヤーを海外(220V)で使う | 変換プラグのみ | × 危険 (火災・故障) | 電圧が異なるため、機器が破壊されます。 |
| 日本の100V専用ドライヤーを海外(220V)で使う | 小型の変圧器 | × 危険 (変圧器が過熱) | ドライヤーのW数に耐えられません。 |
| 海外対応ドライヤーを海外(220V)で使う | 変換プラグのみ | ○ 安全 | これが唯一の正しい使い方です。 |
| スマホやPCの充電器を海外(220V)で使う | 変換プラグのみ | ○ 安全 | 充電器は元々100-240V対応が多いため。 |
ホテルの備え付けドライヤーは期待できる?


「では、ドライヤーは持っていかずに、ホテルの備え付けを使えば良いのでは?」というのも一つの解決策です。
ただし、これには「運」が絡みます。ヒルトンやマリオット、ハイアットなどの高級ホテルでは、客室に高機能で風量の強いドライヤー(時にはダイソンが置かれていることも)が完備されていることが多いです。
しかし、一般的なホテルや、特に古いホテル、格安の宿泊施設では、「壁に固定された、風の非常に弱いタイプ」のドライヤーである可能性も高いです。髪の長い方や毛量の多い方にとっては、乾かすだけで一苦労、ということにもなりかねません。
旅行の失敗を減らすためには、宿泊先のホテルの公式サイトや、Tripadvisorなどの口コミサイトで、最近のレビューを確認し、「ドライヤー」に関する言及がないかチェックしておくことをお勧めします。
ヘアアイロンは「ほぼ無い」と考えるべき
なお、ドライヤーが備え付けられていても、ヘアアイロン(ストレートアイロンやカールアイロン)が客室に常備されているケースは、高級ホテルであってもほぼ皆無です。ヘアアイロンが必要な方は、必ず海外対応モデルを持参する必要があります。
快適な海外旅行!美容のプロが選ぶドライヤーと裏技
- 海外対応ドライヤーの賢い選び方3カ条
- おすすめ海外対応ドライヤー徹底比較
- 飛行機への持ち込み・預け入れ完全ガイド
- 荷物を減らす旅先の美髪キープ術
海外対応ドライヤーの賢い選び方3カ条


ここまで読んで、安全かつ快適な旅のためには「海外対応ドライヤー」を1台持っておくのがベストな選択肢であることがお分かりいただけたと思います。では、何を選べば良いのでしょうか?プロがチェックするべき3つのカ条をご紹介します。
1. 電圧:「100-240V」対応が必須
これが絶対条件です。製品本体や箱に「AC100-120V / 200-240V」といった表記があることを確認してください。これが「海外対応」または「マルチボルテージ」仕様の証です。この表記があれば、全世界のほぼ全ての国で(変換プラグさえあれば)安全に使用できます。
2. 電圧の「切替方式」をチェック
これは専門家ならではの着眼点です。海外対応ドライヤーには、電圧の切替方式に2タイプあります。
- 手動切替式:本体にあるスイッチ(コインなどで回すタイプが多い)で、「100-120V」と「200-240V」を自分で切り替える方式。
- 自動切替式:コンセントに差し込むだけで、ドライヤーが自動で電圧を認識して切り替えてくれる方式。
断然おすすめなのは「自動切替式」です。手動式は、日本に帰国した際にスイッチを「200-240V」にしたまま100Vのコンセントに差し込むと、今度は逆にパワーが極端に弱くなり、故障の原因となるためです。自動切替なら、その心配は一切ありません。
3. 重さと美髪機能
電圧の条件をクリアしたら、あとは国内のドライヤー選びと同じです。旅行用なので、できるだけ軽量(500g台が目安)なものが望ましいでしょう。また、最近では海外対応モデルでも、パナソニックの「ナノイー」やシャープの「プラズマクラスター」など、国内モデル譲りの美髪機能を搭載したものが増えています。旅先でも髪のコンディションを維持したい方は、こうした付加機能にも注目しましょう。
おすすめ海外対応ドライヤー徹底比較
現在販売されている海外対応モデルの中で、上記の条件を満たし、信頼性の高い大手メーカーの2機種をピックアップして比較します。どちらも美髪機能と速乾性を両立した、旅行用としては最高クラスのモデルです。
パナソニックの「ナノケア EH-NA9F」は、国内でも絶大な人気を誇るナノイー&ミネラル搭載モデルの海外版です。しっとりとした仕上がりを海外でも求めたい方に向いています。ただし、電圧切替が「手動」である点だけ注意が必要です。
一方、シャープの「プラズマクラスター IB-P80MB」は、なんといっても「電圧自動切替」が最大の魅力です。海外でも国内でも、何も気にせずコンセントに差すだけ。本体重量も約555gと軽量で、まさに海外旅行に最適化されたモデルと言えるでしょう。
| 機能 | パナソニック EH-NA9F | シャープ IB-P80MB |
|---|---|---|
| 製品名 | ヘアードライヤー ナノケア | プラズマクラスタードライヤー |
| 対応電圧 | AC100-120V / 200-240V | AC100-120V / 200-240V |
| 電圧切替 | 手動切替式 | 自動切替式 |
| 消費電力 | 1000W (AC100/200V時) 1400W (AC120/240V時) |
830W (AC100/200V時) 1200W (AC120/240V時) (HOT/TURBO運転時) |
| 本体重量 | 約620g (セットノズル含まず) | 約555g (セットノズル含まず) |
| 美髪機能 | ナノイー&ミネラル | プラズマクラスター |
| 付属品 | C-2プラグアダプター | – |
飛行機への持ち込み・預け入れ完全ガイド


「ドライヤーは飛行機に持ち込めるの?」「預け入れ(受託手荷物)?」と悩む方もいるかもしれません。
結論から言うと、コード式(コンセント式)のドライヤーは、機内持ち込み・預け入れともに全く問題ありません。
航空会社(JALやANAなど)が厳しく制限しているのは、リチウムイオン電池を内蔵した電子機器です。例えば、モバイルバッテリー(預け入れ不可)や、一部のコードレスヘアアイロン(電池のワット時定格量(Wh)に規定あり)がこれに該当します。
しかし、皆さんが旅行に持っていこうとしているコンセント式のドライヤーは、リチウムイオン電池を内蔵していません。そのため、これらの厳しい制限の対象外となります。



荷物を減らす旅先の美髪キープ術


最後に、美容のプロとして「荷物を減らしつつ、旅先でも美髪をキープする」ための裏技を伝授します。それは、ドライヤーの使用時間を極限まで減らすことです。これができれば、たとえホテルのドライヤーが弱くても、髪へのダメージを最小限に抑えられます。
アイテム1:速乾ヘアドライタオル
これはマストアイテムです。特に「ハホニコ ヘアドライマイクロファイバータオル」などに代表される、美容師が開発した髪専用のタオルは、綿のタオルの数倍の吸水力を誇ります。シャンプー後、このタオルでしっかりタオルドライ(ゴシゴシ擦るのではなく、髪を包み込んで優しく水分を吸い取る)だけで、髪の水分を8割方取り除けます。ドライヤーをかける時間が劇的に短縮できます。
アイテム2:洗い流さないトリートメント
海外は日本と水質(硬水など)が違い、髪がギシギシ、ゴワゴワになりがちです。また、日差しが強い地域では紫外線のダメージも受けます。速乾タオルで水分を取った後、ヘアオイルやミルクタイプの洗い流さないトリートメントを毛先中心になじませましょう。髪を保湿・保護することで、ドライヤーの熱ダメージを防ぎ、まとまりやすい髪に仕上がります。
この2つのアイテムを組み合わせれば、ドライヤーを当てる時間は「髪を乾かす」ためではなく、「仕上げにセットする」ための数分で済むようになります。ぜひ、次の旅行から取り入れてみてください。
総括:海外旅行用ドライヤーは「電圧」確認と安全な選び方が鍵
この記事のまとめです。
- 日本の電圧は100Vである
- 海外の電圧は110V〜240Vが主流である
- 電圧が違うと故障や発火の重大な危険がある
- 「100V専用」と記載されたドライヤーは海外で使用できない
- 変圧器の使用は安全面・重量面から推奨されない
- ドライヤーは1200W以上を消費する大電力の熱器具である
- ドライヤー対応の変圧器は6kg超と非現実的な重さである
- 熱器具に変圧器を使う場合、安全には容量が3倍必要とされる
- 変換プラグはコンセントの形状を変えるだけで、電圧は変えない
- 100V専用機に変換プラグのみでの使用は絶対に禁止である
- 海外対応ドライヤーには「AC100-240V」等の表記がある
- 電圧の切替方式には「自動」と「手動」の2種類がある
- 安全で便利な「電圧自動切替式」のモデルが推奨される
- コード式ドライヤーはリチウム電池を含まず、機内持ち込み・預け入れ共に可能である
- 速乾タオルやトリートメントの活用で、ドライヤー時間を短縮するのがプロの技術である











