ドライヤーが壊れる原因と危険な前兆。火花や焦げ臭い時の対処法

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毎日使うドライヤーから、急に「焦げ臭い」ニオイがしたり、「火花」が散ったりして不安に感じていませんか?「動かない」だけならまだしも、その症状は火災や事故につながる非常に危険なサインかもしれません。
この記事では、美容家電のエキスパートが、「ドライヤーが壊れる原因」を徹底的に解明します。最も危険な「電源コード」の断線から、寿命を知らせる「異音」、そして火災を防ぐための正しい「手入れ」と対処法まで、網羅的に解説します。安全に使い続けるための知識を身につけましょう。

  • ドライヤー故障の最大の原因は電源コードの断線
  • 火花や焦げ臭いニオイは火災の前兆で即時使用中止
  • 寿命(3~4年)を延ばすには掃除と正しい保管が必須
  • 異常を感じたらPSEマークとリコール情報を確認
目次

ドライヤーが壊れる原因と危険な前兆サイン

  • 最も危険!火花や電源が落ちる原因はコードの断線
  • 焦げ臭いニオイがする(ホコリ詰まりとモーター異常)
  • 「カラカラ」など異音がする時の内部状態
  • 温風が出ない・ぬるい(ヒーターと温度制御の故障)
  • 本体やコードが異常に熱い場合の危険性
スクロールできます
症状 推定される原因 危険度(5段階) 必要な対処
火花が散る 電源コードの内部断線、ショート ★★★★★ (極めて危険) 即時使用中止・コンセントから抜く
焦げ臭い 内部のホコリの発火、モーターの焦げ付き ★★★★★ (極めて危険) 即時使用中止・コンセントから抜く
本体が異常に熱い 温度制御装置(サーモスタット)の故障 ★★★★☆ (危険) 即時使用中止
コードが異常に熱い 電源コードの内部断線、ショート ★★★★☆ (危険) 即時使用中止
電源が勝手に落ちる コードの断線、温度制御装置の作動 ★★★☆☆ (要注意) 使用中止・点検
異音がする 内部部品の破損、ファンのホコリ詰まり ★★☆☆☆ (要点検) 使用中止・清掃・点検
風がぬるい ヒーター(電熱線)の故障、温度ヒューズの溶断 ★☆☆☆☆ (故障) 使用中止(火災リスクは低い)
風が弱い 吸込口のホコリ詰まり、モーター劣化 ★☆☆☆☆ (要清掃) 清掃(火災リスクは低い)

最も危険!火花や電源が落ちる原因はコードの断線

ドライヤーの故障において、私たちが最も避けなければならないのは「火災」です。消費者庁や国民生活センター、NITE(製品評価技術基盤機構)といった公的機関は、ヘアドライヤーの電源コードの不具合による発火事故を「重大製品事故」として繰り返し警告しています。

「使用中にコード部分から火花が散り、やけどを負った」「スイッチを入れても電源が入らない」「使っていると急に電源が落ちる」といった症状は、まさにその前兆です。これらの最大の原因は「電源コードの内部断線」です。

NITEの再現実験映像などでも確認されていますが、ドライヤーの保管時に電源コードを本体にきつく巻き付ける行為や、コンセントから抜く際にコードを強く引っ張る行為、ねじれたままの使用を繰り返すことで、コードの根元(付け根)部分に物理的な負荷が集中します。その結果、内部を通っている細い銅線が徐々に切れ、「半断線」と呼ばれる状態になります。

この半断線状態で使用を続けると、正常な銅線に無理な電流が流れて異常発熱したり、切れた銅線同士が接触してショート(火花)が起きたりします。これがプラスチック部分を溶かし、最終的に発火に至るのです。

火花が散った、コードが異常に熱い、電源がついたり消えたりする。
これらの症状は、いつ火災が起きてもおかしくない、極めて危険な状態です。直ちに使用を中止し、必ず電源プラグを持ってコンセントから抜いてください。絶対に使い続けてはいけません。

焦げ臭いニオイがする(ホコリ詰まりとモーター異常)

「焦げ臭いニオイ」も、火花と並んで非常に危険度の高いサインです。このニオイの原因は、主に2つ考えられます。

1つ目は「内部に溜まったホコリの発火」です。
ドライヤーは構造上、背面の吸込口から空気を取り込み、内部のヒーター(電熱線)で温めてから吹出口へ風を送ります。この吸込口のフィルターに、髪の毛やホコリが溜まっていると、それらが内部に吸い込まれ、赤熱しているヒーターに触れて燃焼します。これが「焦げ臭い」ニオイの正体です。

2つ目は「モーター自体の異常」です。
長年の使用によるモーターの劣化や過負荷によって、モーター自体が焦げ付き、ニオイを発生させているケースです。

どちらの原因も非常に危険です
ホコリが原因の場合、内部で火種が大きくなり、本格的な火災につながるリスクがあります。モーターが原因の場合は、製品の末期的な故障であり、いつ発火してもおかしくありません。焦げ臭いニオイに気づいたら、「ホコリのせいだろう」と安易に判断せず、直ちに使用を中止してください。

ニオイが軽微で、明らかに吸込口にホコリが詰まっている場合は、後述する清掃を試すこともできますが、清掃後もニオイが続くようであれば、そのドライヤーの寿命です。絶対に再使用しないでください。

「カラカラ」など異音がする時の内部状態

「ジージー」「キーキー」といった音に加え、特に「カラカラ」という、何か固形物が中で転がっているような異音がする場合も注意が必要です。

まず考えられるのは、ファン(プロペラ)の内部に、吸い込まれたホコリや髪の毛が大量に絡まっているケースです。これが回転のバランスを崩し、異常な音を発生させます。この場合は、後述する吸込口の清掃で改善する可能性があります。

しかし、より深刻なのは、内部の部品(ファンの羽根など)が破損しているケースです。「カラカラ」という音は、まさにこの欠けた部品が内部で転がっている音かもしれません。

そのまま使用を続けると、破損した破片がさらに内部を傷つけたり、最悪の場合、吹出口から高温の破片が飛び出してきたりするリスクもゼロではありません。

「いつもと音が違うな」と感じたら、それはドライヤーからのSOSサインです。火災のリスク(電気的危険)だけでなく、部品の破損(機械的危険)の可能性もあります。異音に気づいたら、まず使用を中止し、吸込口の清掃を試みてください。清掃しても音がやまない場合は、内部破損を疑い、使用を再開しないでください。

温風が出ない・ぬるい(ヒーターと温度制御の故障)

「風は出るのに、まったく温風が出ない」「いつもより温風がぬるい」「温風と冷風の切り替えができない」といった症状。これは、火災などの危険なサインとは少し異なります。

これらの症状は、ドライヤー内部の基幹部品が故障していることを示しています。

  • ヒーター(電熱線)の故障・断線:熱を発生させる大元の線が切れてしまった状態です。
  • 温度ヒューズの溶断:内部が異常高温になった際、火災を防ぐために安全装置であるヒューズが(意図的に)切れてしまった状態です。
  • サーモスタット(温度制御)の故障:温度を検知するセンサーが壊れ、ヒーターに「温めろ」という指令が出せなくなった状態です。
  • 切り替えスイッチの物理的な故障:温風と冷風を切り替えるスイッチ自体が壊れている状態です。

危険性は低いが「製品の寿命」
これらの症状の多くは、むしろ安全装置が正常に作動した結果(フェイルセーフ)であるため、これ自体が火災を引き起こす危険性は低いです。しかし、内部の基幹部品の故障であるため、ユーザー自身での修理は不可能ですし、清掃で直るものでもありません。ドライヤーとしての「温めて乾かす」という主要な機能が失われた、「安全な製品の死」を意味します。修理費用を考えると、買い替えを検討するのが最も現実的な判断となります。

本体やコードが異常に熱い場合の危険性

「吹出口が熱い」のは正常ですが、「持ち手(本体)まで異常に熱くなる」「電源コードが手で触れられないほど熱い」という症状は、最も危険なサインの一つです。

コードが異常に熱い場合は、H2-1で解説した「コードの内部断線」が原因である可能性が非常に高いです。半断線状態で無理に電流が流れることで、電気抵抗が増してジュール熱が発生し、コードの被膜が溶けるほどの高温になっています。発火・ショート・やけどに直結する、極めて危険な状態です。

本体が異常に熱い場合は、さらに恐ろしい事態が考えられます。それは、「過熱防止機能(サーモスタット)の故障」です。

本来、ドライヤーは内部が一定の温度を超えると、安全装置が働いて自動で電源が切れる(または温度を下げる)ように設計されています。しかし、その安全装置自体が壊れると、ドライヤーは内部の熱を制御できなくなり、異常高温状態(ヒーターの定格電力に応じた平衡温度)に達する可能性があります。これは火災リスクが非常に高い危険な状態です。

安全装置が壊れた「暴走」状態
これは、車のブレーキが効かなくなった状態と同じです。H2-4の「温風が出ない」のが安全装置が*正常に作動*した結果(フェイルセーフ)であるのに対し、これは安全装置が*故障した*結果(フェイルデンジャー)です。発火リスクが極めて高い、最悪の故障モードの一つです。即時使用を中止してください。

ドライヤー故障の原因となるNG行動と正しい使い方

  • 平均寿命は3~4年?買い替え時期の判断基準
  • 寿命を縮めるNG習慣(コードの巻き方・保管場所)
  • 長持ちさせる手入れのコツ(フィルター掃除と冷風活用)
  • 安全な製品の証「PSEマーク」とリコール確認方法
  • (補足)故障ドライヤーが髪に与える熱ダメージ

平均寿命は3~4年?買い替え時期の判断基準

美容家電の専門家としてよく聞かれる質問ですが、ドライヤーの平均的な寿命は3〜4年と言われています。これは、内部のファンを回転させる「モーター」の寿命に依存することが多いためです。

ただし、より実態に近い基準として「時間」で考えることをお勧めします。一般的なドライヤーのモーター耐用時間は、約130〜140時間が目安とされています。

あなたの使い方は?
仮に「1日5分」の使用だと、1年で約30時間。4年で約120時間となり、計算が合います。
しかし、髪が長く「1日10分」使う人なら、約2年で寿命時間に達します。
また、家族4人がそれぞれ5分ずつ使えば「1日20分」となり、わずか1年ほどで寿命時間に達する計算になります。

「まだ2年しか使っていないのに」と思うかもしれませんが、使用頻度が高ければ、それは妥当な寿命かもしれません。また、マイナスイオンなどのヘアケア機能は、イオン発生器などの部品が先に劣化し、ヘアケア効果としての寿命は1〜4年と、本体の送風機能より短い場合もあります。

年数だけでなく、H1で挙げた「焦げ臭い」「異音」「異常な発熱」といったサインが出たら、それが使用年数に関わらず「買い替えの時期」と判断してください。

寿命を縮めるNG習慣(コードの巻き方・保管場所)

前章で解説した故障の多くは、日々の「NG習慣」を避けることで予防できます。特に以下の3点は、ドライヤーの寿命を著しく縮めるため、今日から見直してください。

NG習慣1:コードを本体にきつく巻き付ける
これが、H2-1で解説した断線と火災の最大の原因です。特にコードの根元は最も負荷がかかります。絶対にやめてください。

NG習慣2:コードを引っ張ってプラグを抜く
これもコードの根元やプラグ部分に負担をかけ、断線の原因となります。必ずプラグ本体を持って抜きましょう。

NG習慣3:湿度の高い場所(浴室の近く)での保管
洗面台の横や、湯気がこもる脱衣所での保管もNGです。湿気は、内部のモーターや基板の錆(さび)やカビの原因となり、漏電やショートを引き起こす可能性があります。

美容家電のプロは、ドライヤーをフックで吊るして保管することを推奨します。コードに負担がかからず、湿気も避けられます。吊るせない場合は、コードの根元10cm程度をまっすぐに保ったまま、緩く束ねて、湿度の低い棚などに保管しましょう。

長持ちさせる手入れのコツ(フィルター掃除と冷風活用)

ドライヤーの寿命(3〜4年)を安全に全うさせる、あるいはそれ以上に長持ちさせるには、2つの簡単な「手入れ」が非常に効果的です。

手入れ1:吸込口(フィルター)の定期的な清掃
「月1回」を目安に、必ず電源プラグを抜いた状態で、吸込口のフィルターを掃除してください。ここにホコリが詰まると、空気を正常に吸い込めなくなり、(A)風量が弱くなる、(B)モーターに負荷がかかる、(C)内部に熱がこもり異常高温になる、(D)ホコリが内部で燃えて焦げ臭いニオイや発火の原因となる、など万病のもとです。歯ブラシや綿棒、掃除機などで優しくホコリを取り除きましょう。

手入れ2:使用後の「冷風」活用
ドライヤーを使い終わった後、すぐに「OFF」にしていませんか?実は、温風使用直後のヒーターやモーターは非常に高温になっています。この熱がこもったまま放置すると、内部部品の劣化(熱疲労)を早めてしまいます。

プロのひと手間:使用後のクールダウン
温風で髪を乾かし終わったら、最後に10秒〜30秒ほど「冷風(クールモード)」に切り替え、本体内部を強制的に冷却してから電源を切るようにしてみてください。この「ひと手間」が、内部部品への熱ダメージを確実に軽減し、ドライヤーの寿命を延ばすことにつながります。(髪のキューティクルを引き締める美容効果もあります)

安全な製品の証「PSEマーク」とリコール確認方法

ドライヤーは、日本の法律「電気用品安全法」によって安全基準が厳しく定められている「特定電気用品」に分類されています。日本国内で正規に販売されるすべてのドライヤーには、登録検査機関による適合性試験に合格した証として、ひし形のPSEマークの表示が義務付けられています。

このマークは、製品が「火災や感電といった危険や事故の発生を未然に防ぐ」ための最低限の安全基準をクリアしていることを示しています。

最近では、インターネット通販やフリマアプリなどで、海外から安価な製品が流入していますが、このPSEマークがない製品を購入・使用することは、重大な事故(火災・感電)のリスクを自ら抱え込む行為であり、絶対に避けるべきです。

また、PSEマークがあっても、製造上の欠陥などで後に問題が発覚し、「リコール(回収・無償修理)」の対象となる場合もあります。「壊れた」と思っていた症状が、実はリコール対象の不具合だった、という可能性もあります。

異常を感じたら、捨てる前に確認を
ドライヤーに何らかの異常を感じたら、以下の公的サイトで、お使いの製品(メーカー名・型番)がリコール対象になっていないか確認することをお勧めします。

  • 消費者庁「リコール情報サイト」
  • 経済産業省「リコール情報」
  • NITE(製品評価技術基盤機構)「SAFE-Lite」

(補足)故障ドライヤーが髪に与える熱ダメージ

最後に、美容の専門家として、安全面だけでなく「髪の健康」という視点からも、故障したドライヤーを使い続ける危険性をお伝えします。

特に危険なのが、H2-5で解説した「本体が異常に熱くなる=温度制御が壊れた」ドライヤーです。これは、あなたの髪に修復不可能なダメージを与えています。

髪の主成分は「ケラチン」というタンパク質です。タンパク質は熱に弱く、生卵が熱でゆで卵になるように、髪も高温で「タンパク質変性」を起こします。科学的研究によると、濡れた髪のケラチン(α-ヘリックス)は約150℃で変性が始まり、乾いた髪では約230℃で変性が始まります。ドライヤーの通常の吹出口温度(100~120℃)は、この変性温度よりも低く、JIS基準に適合したドライヤーを適切な距離から使用した場合、髪への熱ダメージは限定的です。

正常なドライヤーでも、吹出口の温度は100℃を超えることがありますが、賢い温度制御機能(サーモスタット)が働き、髪との距離や動きによって、髪表面の温度が危険なレベルにならないようコントロールしています。

しかし、その温度制御が壊れたドライヤーは、100℃超の熱風を無制御に吹き付け続けます。これにより、髪は深刻な「タンパク質変性」を起こします。変性した髪は内部に空洞ができ、硬くゴワゴワになり、ツヤを失います。

この「タンパク質変性」によるダメージは、どんなに高価なサロントリートメントでも、二度と元に戻すことはできません。「まだ風が出るから」と故障したドライヤーを使い続けることは、安全性を脅かすだけでなく、あなたの大切な髪を(修復不可能なレベルで)毎日破壊し続けている行為なのです。

総括:ドライヤーが壊れる原因を理解し、重大事故と髪のダメージを防ぐ

この記事のまとめです。

  • ドライヤーの故障サインで最も危険なのは火花と焦げ臭いニオイである
  • 火花の原因は主に電源コードの内部断線である
  • 焦げ臭いニオイはホコリの燃焼かモーターの焦げ付きである
  • 危険なサインが出たら火災防止のため即時使用を中止する
  • コードを本体にきつく巻き付ける習慣が断線を招く
  • 温風が出ないのはヒーターや安全装置の故障(火災リスクは低い)
  • 本体が異常に熱いのは安全装置の故障で非常に危険である
  • ドライヤーの平均寿命は3~4年、または使用時間130~140時間が目安
  • 家族が多いなど使用頻度が高いと寿命は短くなる
  • 湿度の高い場所での保管は内部部品の劣化を早める
  • 月1回のフィルター(吸込口)掃除が寿命を延ばす
  • 使用後に冷風を当てて内部を冷ますと部品が長持ちする
  • 安全の証「PSEマーク」のない製品は使用してはならない
  • 異常を感じたら消費者庁のリコール情報サイトも確認する
  • 温度制御が壊れたドライヤーは髪に修復不能な熱ダメージを与える
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この記事を書いた人

家電好きなブロガー。
ドライヤーの機能や使い方を、みんなにわかりやすくお届けします。

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