デビルズトリックは黒髪に染まる？発色の真実とクールブラック活用術

2025年12月10日

URLをコピーしました！

「デビルズトリック」と検索しているあなたは、今すぐ髪色を変えたいけれど、学校や職場の事情で黒髪に戻さなければならなかったり、あるいは黒髪のままニュアンスチェンジを楽しみたいと考えているのではないでしょうか。

たった5分で髪色チェンジができると話題のこのアイテムですが、実は「元の髪色」によって効果が全く異なることは意外と知られていません。

この記事では、美容家電と毛髪科学のプロである私が、デビルズトリックが黒髪に対して実際にどのような発色をするのか、そして逆に髪を一時的に黒くしたい場合の「クールブラック」の活用法について徹底解説します。

ヘアカラーの失敗を防ぎ、理想のツヤ髪を手に入れるための正しい知識を持ち帰ってください。

この記事のポイント

元の髪が健康な黒髪の場合、劇的な色の変化は期待できず、光に当たった時のニュアンス程度である
傷んだ髪や明るい髪ほどイオン結合が強く働き、デビルズトリックの発色は鮮やかになる
一時的に髪を黒くしたい場合、「クールブラック」を使用すれば約1週間だけの黒髪を楽しめる
色持ちとツヤを最大化するには、使用後のドライヤーでの温度管理とキューティクルケアが重要である

デビルズトリックは黒髪にも発色する？仕組みと効果を解説

仕組みを知れば納得！黒髪への発色はほんのりニュアンス程度
傷んだ髪や明るい髪ほど鮮やかに染まるイオン結合の秘密
逆に髪を「黒くしたい」ならクールブラックが就活・面接に最適
トリートメント効果で傷んだ髪も補修しツヤ感アップは期待大

仕組みを知れば納得！黒髪への発色はほんのりニュアンス程度

結論から申し上げますと、健康なバージンヘアの黒髪に対して、デビルズトリックを使って劇的な色の変化（例えば、真っ赤や真っ青にするなど）を期待することは難しいのが現実です。

これは、デビルズトリックが髪の内部まで浸透して色を変える「アルカリカラー剤」ではなく、髪の表面に色素を吸着させる「ヘアマニキュア（カラートリートメント）」に分類される製品だからです。

一般的な美容室でのヘアカラー（アルカリカラー）は、髪の内部にある黒いメラニン色素を一度脱色（ブリーチ作用）して明るくし、その空いたスペースに染料を入れ込むことで色を発色させます。

例えるなら、黒い画用紙に絵を描く際に、一度白く塗りつぶしてから色を乗せるような工程が含まれているため、黒髪からでも明るい色や鮮やかな色を表現することが可能です。

一方、デビルズトリックは、髪の表面にイオンの力で色素を付着させる「コーティング」に近い仕組みです。これは、黒い画用紙の上に、透明感のある色付きセロファンを乗せるようなイメージを想像していただくと非常に分かりやすいでしょう。下地が真っ黒（黒髪）であれば、その上に赤やピンクのセロファンを乗せても、黒色が透けてしまい、色はほとんど見えません。これが、黒髪だと「染まらない」と言われる最大の理由です。

しかし、全く意味がないかと言えばそうではありません。太陽光や強い照明の下などの明るい場所で見ると、ほんのりとピンクがかったり、アッシュのような透明感が出たりする「ニュアンスチェンジ」は十分に楽しむことができます。

学校の校則が厳しい学生さんや、仕事で派手な髪色ができない方が、休日にこっそりと気分を変えるための「シークレットカラー」としては、非常に優秀なアイテムと言えるでしょう。

あくまで「染まる」というよりは「色味のベールを纏う」という認識で使うのが、失敗しないための第一歩です。

屋内・暗い場所: ほとんど変化を感じられないことが多い。
屋外・太陽光下: 赤系やパープル系は比較的わかりやすく、光に透けた時に色味を感じられる。
アッシュ・ブルー系: 黒髪と同化しやすく、透明感やツヤ感として現れることが多い。

傷んだ髪や明るい髪ほど鮮やかに染まるイオン結合の秘密

なぜデビルズトリックは、人によって「すごく染まった！」という口コミと「全然染まらなかった」という口コミにはっきり分かれるのでしょうか。その答えは、毛髪科学的な「イオン結合」の仕組みと、髪のダメージレベルにあります。

このメカニズムを深く理解することで、あなたがデビルズトリックを使った時にどうなるかが正確に予測できるようになります。

デビルズトリックの染料は「プラス（＋）のイオン」を帯びています。一方で、私たちの髪の毛は、健康な状態（弱酸性）ではイオンバランスが整っていますが、カラーやパーマ、日々のアイロン熱、紫外線などでダメージを受けると、髪の表面は「マイナス（－）のイオン」を強く帯びる性質があります。

磁石のN極とS極が強力に引き合うように、プラスの染料はマイナスのダメージ部分に吸い寄せられ、強力に吸着します。

つまり、ブリーチを繰り返しているハイダメージ毛や、退色して明るくなった茶髪の方ほど、髪表面が強くマイナスイオン化しているため、デビルズトリックの色素がしっかりと吸着し、パッケージ通りの高発色が実現するのです。

逆に、一度も染めたことのない健康な黒髪は、表面が整っておりマイナスイオンが少ないため、色素が引っかかる「足場」が少なく、色が乗りにくい（滑り落ちてしまう）という現象が起きます。

もし、あなたが黒髪ベースで少しでも色味を出したいと考えるなら、毛先などの比較的ダメージがある部分（マイナスイオンが多い部分）を中心に塗布することで、毛先だけ色がつくグラデーションのようなニュアンスを楽しむことは可能です。

また、以前にカラーをしていて退色し、赤茶けてしまった「黒髪に近い茶髪」であれば、ブルーやグリーンなどの寒色系のデビルズトリックを使うことで嫌な赤みを打ち消し、透明感のあるダークトーンに補正するといった使い方は非常に効果的です。

自分の髪の「ダメージ履歴」と「現在の明るさ」を見極めることが、この製品を使いこなす鍵となります。

ブリーチ毛の方が使うと、驚くほどビビッドに発色して数日は落ちないこともあるので、逆に「明日には落としたい」という場合は注意が必要ですよ！

逆に髪を「黒くしたい」ならクールブラックが就活・面接に最適

デビルズトリックに関連して「黒髪」というキーワードで検索される方の中には、「黒髪に色を入れたい」のではなく、「明るい髪を一時的に黒髪に戻したい」という切実なニーズを持っている方も多くいらっしゃいます。

その場合、デビルズトリックのラインナップにある「クールブラック（またはその時期のブラック系カラー）」は、まさに救世主のような存在となります。

例えば、夏休みの間だけ金髪にしていた学生さんが始業式の日だけ黒くしたい場合や、急なアルバイトの面接、冠婚葬祭、証明写真の撮影など、「今日だけ、あるいは数日だけ黒髪でいたい」というシチュエーションです。

このような場面で市販の黒染め（アルカリカラー）を使ってしまうと、髪の内部まで黒い色素が強固に入り込んでしまい、次に明るいカラーをしたくても色が抜けなくなったり、ブリーチが必要になって髪に大きなダメージを与えてしまったりする深刻なリスクがあります。

デビルズトリックのブラック系カラーであれば、前述の通り髪の表面に色素を付着させるだけなので、約1週間程度シャンプーを繰り返せば自然に色が落ち、元の明るい髪色に戻すことができます。これが「1weekカラー」と呼ばれる所以であり、最大のメリットです。髪の芯まで染めないため、次回のカラーリングへの影響を最小限に抑えられる点は、美容師目線で見ても非常に優秀です。

実際に使用する際は、普段よりもたっぷりの量を使い、塗り残しがないようにムラなく塗布することが重要です。特にブリーチ毛などの非常に明るい髪に使用する場合、黄色味と混ざって緑がかった黒に発色してしまう（マット化する）ことが稀にありますが、デビルズトリックのブラックは比較的自然なソフトブラックに仕上がるように調整されていることが多いです。

ただし、完全に真っ黒な「漆黒」を目指すというよりは、自然な「暗髪」にトーンダウンさせるイメージで使用すると、違和感のない仕上がりになります。

色落ちの過程: ブリーチ毛の場合、黒が抜けていく過程でグレーや緑っぽく見える期間がある場合があります。
白髪への効果: デビルズトリックは白髪染めではないため、白髪には色が入りにくく、グレーのように薄く染まる程度でカバー力は弱いです。

トリートメント効果で傷んだ髪も補修しツヤ感アップは期待大

デビルズトリックの魅力は、色の変化だけではありません。製品名に「トリートメント」とある通り、ヘアケア効果についても非常に優秀な設計がなされています。美容家電や化粧品の成分分析を行うプロの視点で見ると、単なる色付きの水ではなく、髪の手触りを向上させるための工夫が随所に施されていることがわかります。

多くのデビルズトリック製品には、ホホバ種子油やツバキ種子油といった植物性の高保湿オイルが配合されています。これらのオイル成分は、乾燥してパサついた髪の表面をコーティングし、しっとりとした質感を与えてくれます。また、髪の表面を滑らかに整えることで光の反射が均一になり、いわゆる「天使の輪」のようなツヤ感が生まれます。

特に、ダメージによってキューティクルが開いてしまっている髪は、内部の水分やタンパク質が流出しやすく、ゴワゴワとした手触りになりがちです。デビルズトリックは、色素と共にトリートメント成分が髪の表面を覆うことで、疑似的なキューティクルの役割を果たし、ドライヤーの熱や摩擦といった外部の刺激から髪を守ってくれます。

実際に使用した後の髪を触ってみると、カラーをする前よりもサラサラ・ツルツルになっていることに驚く方も多いでしょう。黒髪に使用して色の変化が少なかったとしても、この「トリートメントによるツヤ出し効果」と「香りを楽しむリラックス効果」だけでも十分に使う価値があります。

ツヤのある黒髪は、肌のトーンを明るく見せ、清潔感のある印象を与えます。デートの前日や大切なイベントの前に、髪のコンディションを整える目的で使用するのも、美容賢者の賢い使い方の一つです。

デビルズトリックで理想の黒髪・ニュアンス髪を作る使い方のコツ

乾いた髪に塗る「ドライ塗布」で発色を最大化させるプロの技
放置時間とラップ活用・温度管理で色の定着を劇的に高める方法
色持ちを良くするシャンプー選びとドライヤーの冷風テクニック
失敗しないための注意点と皮膚や浴室への着色対策ガイド

乾いた髪に塗る「ドライ塗布」で発色を最大化させるプロの技

デビルズトリックのパッケージ裏面を見ると、「シャンプー後の濡れた髪」に使用する方法と、「乾いた髪」に使用する方法の2パターンが記載されていることが多いですが、しっかりと発色させたいのであれば、断然「乾いた髪への塗布（ドライ塗布）」をおすすめします。これには水分濃度と浸透圧に関わる明確な理由があります。

髪が濡れている状態というのは、髪の内部や表面が水分で満たされている状態です。ここにカラートリートメントを塗布しても、髪に残っている水分によって染料が薄まってしまったり、水膜がバリアとなって染料が髪のダメージ部分（マイナスイオン）に吸着するのを物理的に邪魔してしまったりします。

特に、発色しにくい黒髪にニュアンスを出したい場合や、明るい髪をしっかりクールブラックでトーンダウンさせたい場合は、染料の濃度を下げないことが成功のカギとなります。

具体的な手順としては、まずお風呂に入る前に、髪をブラッシングしてホコリや絡まりを取ります。ハードスプレーなどの整髪料がついている場合は一度シャンプーして完全に乾かしてからの方が良いですが、軽いヘアオイル程度ならそのままでも大丈夫です。

そして、乾いた状態の髪にたっぷりとデビルズトリックを塗っていきます。

この時、ケチらずに「髪が埋もれるくらい」多めに塗るのが最大のポイントです。そして、手で馴染ませるだけでなく、目の粗いクシ（コーム）を使って、根元から毛先まで均一に伸ばしましょう。

特に染まりにくい根元や、色が入りすぎてムラになりやすい毛先は、クシでとかすことで薬剤が均一に馴染み、プロが染めたような綺麗な仕上がりに近づきます。乾いた髪に塗布することで、染料がダイレクトに髪に作用し、濡れた髪に使うよりも濃く、鮮やかに発色させることができます。

ひと手間かかりますが、仕上がりのクオリティは格段に上がります。

放置時間とラップ活用・温度管理で色の定着を劇的に高める方法

塗布が終わったら、次は「放置時間」です。通常は5分程度と記載されていますが、しっかり色を入れたい場合は、自己責任の範囲となりますが10分〜15分程度置くことを推奨します（ただし、頭皮へのピリピリ感や刺激を感じた場合はすぐに洗い流してください）。

この待ち時間をただスマホを見て過ごすのではなく、美容室で行われているような「温度管理」を取り入れることで、色の定着率はさらに向上します。

まず、塗布した髪をまとめて、家庭用の食品用ラップで頭全体を包み込みます。ラップをすることで、薬剤の乾燥を防ぐとともに、頭皮から出る体温を閉じ込め、内部を蒸らす効果が得られます。

美容室でカラーやパーマの際に加温機（ローラーボールなど）を使うのを見たことがあると思いますが、あれと同じ原理を自宅で再現するのです。温めることでキューティクルがわずかに開き、その隙間から染料やトリートメント成分がより深部へ浸透・定着しやすくなります。

さらに効果を高めたい場合は、ラップの上から蒸しタオル（お湯で絞ったタオル）を巻いたり、ドライヤーの温風を遠くから優しく当てて温めたりするのも非常に有効です。ただし、ドライヤーを近づけすぎると熱ムラができたり、薬剤が液状化して垂れてきたりする危険があるので、あくまで「ほんのり温める」程度にとどめてください。

この「ラップパック＋加温」のテクニックは、特に髪が硬くて太い方（剛毛）や、キューティクルが閉じていて色が入りにくい健康な黒髪の方に効果的です。トリートメント成分の浸透も促進されるため、洗い流した後のしっとり感が段違いになります。

放置時間が終わったら、ぬるま湯で色水が出なくなるまでしっかりとすすぎ、その後いつも通りシャンプーとトリートメント（必要であれば）を行ってください。

色持ちを良くするシャンプーとドライヤーのテクニック

せっかく綺麗に染まった、あるいは黒髪戻しができたとしても、日々のケア方法を間違えると、あっという間に色は落ちてしまいます。デビルズトリックの色持ちは約1週間ですが、これを少しでも長く楽しむ、あるいは汚く崩さないためには、お風呂上がり直後のケアが最も重要です。

まずシャンプーですが、洗浄力が強すぎる「高級アルコール系（ラウレス硫酸Naなどが主成分）」のシャンプーは、髪表面のコーティングごと色素を剥がしてしまうため、色落ちが劇的に早まります。

可能であれば、洗浄力がマイルドで髪に優しい「アミノ酸系」や「ベタイン系」のシャンプーを使うと、色持ちが良くなります。パッケージに「カラーケア」や「ダメージ補修」と書かれたものを選ぶのが無難です。

そして、美容家電のエキスパートとして最も強調したいのが「ドライヤーの使い方」です。髪が濡れている状態はキューティクルが開いており、そこから色素が流出し続けている状態と言えます。

そのため、お風呂から上がったら、タオルドライで水気をしっかり取り、直ちにドライヤーで乾かすことが鉄則です。「自然乾燥」はカラーの大敵であり、髪のダメージの原因そのものです。

ドライヤーで乾かす際は、まず根元中心に温風を当てて8割〜9割ほど乾かします。そして、ここからがプロの技ですが、仕上げに必ず「冷風（クールモード）」を使用してください。温風で乾かした直後の髪はまだ余熱を持っており、キューティクルが完全に閉じていないことがあります。最後に冷風を髪全体に当てて冷やすことで、キューティクルをキュッと引き締め、色素と潤いを内部に閉じ込めることができます。これにより、ツヤ感が増すだけでなく、物理的に色が抜けにくい状態を作ることができるのです。