ドライヤーが突然、火花を散らした…そんな経験はありませんか? 壊れにくいドライヤーをお探しなら、まず「なぜ壊れるか」を知ることが重要です。多くの故障原因は、電源コードの扱いやモーターの寿命にあります。この記事では、美容家電の専門家が、発火など危険な故障サインの見極め方から、長寿命の「BLDCモーター」搭載モデル、プロが選ぶサロンシェアドライヤーの選び方、そして今お使いのドライヤーの寿命を延ばす正しいメンテナンス術まで、徹底的に解説します。安全に長く使える一台を見つけましょう。
- 故障の最大の原因は「電源コードの断線」
- 火花や焦げ臭い匂いは重大な故障のサイン
- 選び方の鍵は「BLDCモーター」と「サロンシェア」
- 正しい保管と月1回の掃除で寿命は延びる
壊れにくいドライヤーが必要な理由と危険な故障サイン
- 故障原因の第1位は「電源コードの断線」
- 危険!火花や発火につながる故障の兆候チェック
- 寿命は3〜4年?修理か買い替えかの判断基準
故障原因の第1位は「電源コードの断線」

ドライヤーの故障と聞いて、多くの方がモーターの焼き付きなどを想像するかもしれませんが、実は最も多く、そして最も危険な故障原因は「電源コードの断線」です。
経済産業省(METI)や製品評価技術基盤機構(NITE)といった公的機関も、ヘアドライヤーの電源コード付け根部分の損傷によるショートや発火事故について、繰り返し注意喚起を行っています。NITEが公開している再現実験映像では、コードが内部で断線することにより、激しい火花が散る様子が確認できます。
なぜ、コードが断線するのでしょうか。最大の原因は、私たちの「保管方法」にあります。使い終わった後、ドライヤーの本体に電源コードをきつく巻き付けて保管していませんか? この行為が、コードの付け根(プロテクターと呼ばれるゴム部品の内部)に継続的なストレスを加え、外側のゴム被膜は無事でも、中の銅線だけが切れてしまう「内部断線(断線)」を引き起こすのです。
内部断線した状態で使用を続けると、切れた導線同士が接触してショートし、火花や発火、やけどといった重大な事故につながる恐れがあります。壊れにくいドライヤーを選ぶ以前に、この「コードの扱い方」が寿命と安全に直結していることを、まずは知っておく必要があります。
最大のNG行為:コードの本体への巻き付け
ドライヤーの本体に電源コードをきつく巻き付けると、付け根部分に負荷が集中し、内部断線の原因となります。これは、メーカーや専門機関が一致して「避けるべき」と指導している、最も危険な保管方法です。
危険!火花や発火につながる故障の兆候チェック

電源コードの断線は、初期段階では目に見えません。しかし、重大な事故に至る前には、必ず「故障のサイン」が現れます。これらの兆候を見逃さず、異常を感じたらすぐに使用を中止することが、何よりも重要です。
国民生活センターには、「ドライヤーを使っていたら、コード部分から火花が散り、腕に軽いやけどを負った」(70歳代・女性)といった実際の事故事例が寄せられています。以下のチェックリストに1つでも当てはまる場合は、そのドライヤーはすでに危険な状態かもしれません。
ドライヤーの危険な「寿命サイン」チェックリスト
- 1. 電源コードや本体(持ち手)が異常に熱い
吹出口ではなく、コードや持ち手部分が熱くなるのは、内部で断線やショートが起きかけている証拠です。 - 2. 焦げ臭いにおいがする
内部のホコリがヒーターで燃えているか、モーターやコードが焦げている可能性があります。発火の直前のサインです。 - 3. 使用中に電源が切れたり、入ったりする
コードの角度を変えると電源が入る・切れる場合、内部断線が確定的な状態です。 - 4. 「カラカラ」「キーキー」など異音がする
内部で部品が破損しているか、モーターに異常が発生している可能性があります。 - 5. 温風がぬるい、または温度が不安定
ヒーターの劣化や、内部の温度制御装置の故障が考えられます。

特に「コードが熱い」「電源が途切れる」「焦げ臭い」の3点は、火災や感電のリスクが非常に高い、重大な警告です。専門家として、この状態での使用継続は「絶対にやめてください」と強くお伝えします。
寿命は3〜4年?修理か買い替えかの判断基準


そもそも、ドライヤーの寿命はどれくらいなのでしょうか。一般的な家電メーカーの見解や業界の通説では、モーターの耐用年数から「平均3〜4年」とされることが多いです。これは1日1回の使用(約5〜7分)で計算すると、総使用時間がおよそ130〜140時間になる計算です。
ここで問題となるのが、「保証期間とのギャップ」です。パナソニックやシャープなど、国内大手メーカーのドライヤーの標準保証期間は、基本的に「購入から1年間」です。つまり、故障が最も発生しやすい2年目から4年目の期間は、完全に「保証対象外」となります。
では、保証が切れた後に修理する価値はあるのでしょうか? ここに「修理のワナ」があります。シャープが公開している修理概算料金を例に見てみましょう。最も壊れやすい「電源コードの断線」の修理でも、6,000円〜10,000円程度かかります。一方、「電源が入らない」「異音がする」「温風が出ない」といった内部的な故障の場合、修理方法は「本体交換」と記載されており、修理料金の目安は機種によって異なりますが、概ね20,000円~27,000円(税込)程度の場合が多くあります。
これは実質「新品と交換」という意味で、修理費用は11,000円から、高価格帯モデルでは27,000円以上になることもあります。これでは、新品を買い替えるのとほとんど変わりません。
| 故障の症状 | 修理対応 | 修理料金の目安(税込) |
|---|---|---|
| 電源コード破損/断線 | 電源コードの交換 | 6,000円~10,000円 |
| 電源入らない/運転しない | 本体交換 | 11,000円~27,000円 |
| 異音がする | 本体交換 | 11,000円~27,000円 |
| 温風・冷風が出ない | 本体交換 | 11,000円~27,000円 |



この事実から導き出される結論は、「安価なドライヤーを買い替え続ける」か「保証が切れても修理代を払い続ける」のは、経済的にも安全面でも得策ではない、ということです。だからこそ、購入時に「壊れにくい」一台を選ぶことが、最も賢明な選択となります。
プロが教える「壊れにくいドライヤー」の選び方と長持ち術
- 選び方①:長寿命「BLDCモーター」搭載機を選ぶ
- 選び方②:プロの「サロンシェア」を参考にする
- 徹底解説!寿命を延ばす4つの正しい使い方
- やってはいけない!NGな保管方法とコードの扱い
選び方①:長寿命「BLDCモーター」搭載機を選ぶ


では、具体的に「壊れにくいドライヤー」とは何を見ればよいのでしょうか。最大の注目ポイントは、ドライヤーの心臓部である「モーター」です。
従来の安価なドライヤーの多くは「ACモーター」や「DCモーター」という、内部に「ブラシ」を持つ部品が使われています。このブラシは、モーターが回転するたびに摩擦で摩耗していくため、物理的な寿命が存在します。これが、ドライヤーの寿命が3〜4年と言われる主な理由です。
一方、近年の中〜高価格帯モデルで採用が進んでいるのが「BLDCモーター(ブラシレスDCモーター)」です。その名の通り「ブラシ」がないため、物理的な摩耗が極めて少なく、従来品に比べて圧倒的に長寿命であることが特徴です。中高価格帯モデルでは、BLDC(ブラシレスDCモーター)技術の採用が広がっています。例えば、ダイソンの「デジタルモーターV9」も高速回転するブラシレス設計で知られており、パナソニックなどのプレミアムモデルでもBLDCモーターの搭載が増えています。「長寿命BLDCモーター搭載」と明記している製品は、メーカー自身が耐久性に自信を持っている証拠です。初期投資は高くなりますが、5年、7年と長く使える可能性を考えれば、コストパフォーマンスは非常に高いと言えます。
BLDCモーター搭載を明記するモデル例
「長寿命」「高耐久」を謳うBLDCモーターを搭載した製品は増えています。以下は、家電量販店などで見られる主な搭載モデルの例です。
- VENUSiS(ヴィナシス): VDC-1000P など
- コイズミ (Koizumi): KHD9570W など
- ヴィダルサスーン (Vidal Sassoon): VSD-1280/KJ など
- B next: BD101-B など
(※これらは一例であり、最新のモデル情報は各メーカーにご確認ください)
選び方②:プロの「サロンシェア」を参考にする


もう一つの確実な選び方は、「プロが現場で使っているか」という視点です。
美容室(サロン)は、ドライヤーにとって最も過酷な環境です。1日に何人もの髪を乾かし、何時間も連続で使用されるため、家庭用とは比較にならないレベルの「耐久性」と「速乾性」が求められます。つまり、「サロンで定番として使われている」という事実は、そのドライヤーが耐久性のプロフェッショナルであることの何よりの証明になります。



この「業務用(プロ用)」カテゴリで圧倒的な信頼を得ているのが、テスコム電機が展開する「Nobby(ノビー)」ブランドです。2024年の調査では、Nobbyブランドのヘアドライヤーは、国内のヘアサロンにおいてNo.1のシェアを獲得しており、2024年3月~6月の調査によると、「国内の約60%のヘアサロンがNobbyドライヤーを使用している」というデータがあります。
プロ用モデルは、家庭用モデルに比べてヘアケア機能(イオンなど)がシンプルな場合がありますが、その分、堅牢な作り、パワフルな風量、そしてメンテナンスのしやすさ(フィルター掃除が簡単など)に特化しています。家庭で使用すれば、その耐久性の高さを実感できるはずです。「壊れにくさ」を最優先するならば、Nobbyのようなプロ用ブランドの製品は、非常に賢い選択肢となります。
徹底解説!寿命を延ばす4つの正しい使い方


どんなに高価で壊れにくいドライヤーを買っても、使い方やメンテナンスを間違えれば寿命は縮んでしまいます。逆に言えば、今お使いのドライヤーでも、これから紹介する4つの「延命術」を実践するだけで、格段に長く安全に使えるようになります。
これは、美容家電の専門家として、ぜひ皆様に習慣づけていただきたいプロのテクニックです。
ドライヤーの寿命を延ばす「4つの鉄則」
1. 【掃除】月1回のフィルター掃除
ドライヤーの吸込口(風を吸う網目部分)には、空気中のホコリや髪の毛が溜まります。ここが詰まると、モーターに過剰な負荷がかかり、異常加熱や性能低下、故障の原因となります。最低でも月に1回は、掃除機で吸い取るか、古い歯ブラシなどでホコリを取り除いてください。
2. 【保管】「湿度」を避けて保管する
お風呂上がりに使うため、洗面所や脱衣所に置きっぱなしにしがちですが、これはNGです。ドライヤーは精密な電子機器。湿気は内部のモーターやヒーターを劣化させる大敵です。使用後は、なるべく湿度の低い、換気された部屋(リビングや寝室など)で保管するのが理想です。
3. 【電源OFF】「冷風」でクールダウンしてから切る
温風を使った後、すぐに電源スイッチをOFFにしていませんか? 電源を切った直後も、内部のヒーターは非常に高温なままです。この「余熱」がこもることで、ヒーター部品の劣化を早めてしまいます。使い終わりの30秒〜1分間、「冷風(COOL)」運転に切り替えてください。これで内部のヒーターを冷ましてから電源を切ることで、部品へのダメージを劇的に減らせます。
4. 【コード】絶対に「巻かない」「引っ張らない」
最も重要なのが、電源コードの扱いです。これについては、次の項目で詳しく解説します。
やってはいけない!NGな保管方法とコードの扱い
本記事で繰り返し警告している通り、ドライヤーの故障と事故の最大の原因は「電源コードの不適切な扱い」にあります。以下の「NG行為」を今すぐやめることが、安全に長く使うための最短距離です。



今すぐやめるべき!コードのNG行為ワースト3
NG 1:【最重要】本体にコードをきつく巻き付ける
すべてのNG行為の中で、これが最も危険です。コードの付け根に常に無理な力がかかり、内部断線を確実に早めます。収納時にコードをまとめる場合は、必ず「ゆるやか」に束ねるか、S字フックなどで吊り下げて保管し、コードに負担がかからない状態(自然なループ)を作ってください。
NG 2:コンセントから「コードを引っ張って」抜く
プラグ(差し込み部分)ではなく、コード部分を持ってコンセントから抜くと、プラグ内部やコードそのものが断線する原因になります。必ずプラグ本体を持って、まっすぐ引き抜きましょう。
NG 3:コードがねじれたまま使用・保管する
使用中にコードがねじれてしまったら、一度使用を中断し、ねじれを直してから使いましょう。ねじれたまま使い続けることも、内部の導線にダメージを蓄積させます。
壊れにくいドライヤーとは、単に「高価な製品」のことではありません。「耐久性の高い製品(BLDCモーターやプロ仕様)を選び」、かつ「正しいメンテナンス(掃除・保管・コード管理)を行う」こと。この2つが揃って初めて、本当に「壊れにくいドライヤー」が完成するのです。
総括:「壊れにくいドライヤー」は買う技術と使う技術で決まる
この記事のまとめです。
- ドライヤーの故障原因で最も多いのは電源コードの断線である
- コードを本体に巻き付ける行為は断線の最大リスクである
- コードや本体が異常に熱いのは危険な兆候だ
- 火花や焦げ臭い匂いがしたら直ちに使用を中止すべきである
- 電源が途切れる症状は内部断線のサインである
- 一般的なドライヤーの寿命は3~4年が目安である
- メーカーの標準保証は1年が一般的で、寿命との間にギャップがある
- 保証切れの修理は「本体交換」となり高額になるケースが多い
- 壊れにくいモデル選びの鍵は「BLDCモーター」である
- ブラシレスモーターは摩擦が少なく長寿命が期待できる
- プロが選ぶ「業務用」モデルも耐久性の指標となる
- Nobbyは国内サロンシェア約60%を誇るブランドである
- 月1回以上のフィルター掃除はモーターの負荷を減らす
- 浴室や洗面所など湿度の高い場所での保管は避けるべきである
- 使用後の「冷風運転」は内部ヒーターの劣化を防ぐ











