「ドライヤーから緑の光が出ているけれど、これは何?」「髪に良い美容機能なの?」と疑問に思っていませんか。ドライヤーの緑の光には、実は大きく分けて2種類あります。一つはアレティ(Areti)などの一部のモデルに搭載された「美容LED機能」。もう一つは、パナソニック(Panasonic)など多くの製品の「状態表示ランプ」です。この記事では、美容家電の専門家が、その緑の光の正体、そして赤・青・緑のLEDが持つ科学的な根拠と頭皮への効果、PSE法などの安全性まで、どこよりも詳しく解説します。
- ドライヤーの「緑の光」は美容LEDと状態ランプの2種類
- 美容LEDはAreti(アレティ) d1621などが搭載する機能
- 緑・赤・青の光は育毛や頭皮ケアの科学的研究が進んでいる
- パナソニック等の緑ランプは美容機能ではない
ドライヤーの「緑の光」とは?LED美容機能と点灯ランプの違い
- 結論:「緑の光」は主に2種類ある
- 美容機能(LED):アレティ(Areti) d1621の3色LED
- 状態ランプ:パナソニックやダイソンの「緑の点灯」
- LED美容はドライヤーの主流機能ではない
結論:「緑の光」は主に2種類ある

「ドライヤーの緑の光」と聞いて、多くの方が疑問に思われるのも無理はありません。なぜなら、この「緑の光」には、まったく異なる2種類が存在するからです。
一つは、美容機器として「光を照射する」ことを目的とした機能です。これは、特定のドライヤーモデル、例えば美容家電メーカー「Areti(アレティ)」の一部製品などに搭載されており、緑色や赤色、青色のLEDライトを髪や頭皮に当てることで、ヘアケアやスカルプケアの効果を狙うものです。
もう一つは、大多数のドライヤーに共通する「状態表示ランプ(インジケーター)」です。これは、パナソニックやダイソン、リファといった主要メーカーの製品によく見られるもので、電源が入っていること(点灯)や、特定のモード(例えばクールモード)が作動していることを示すため、あるいは故障や異常を知らせるため(点滅)に光るものです。この場合の光は、単なる「お知らせ」であり、それ自体に美容効果はありません。
「緑の光」の2つの可能性
- 美容機能LED: Areti(アレティ)などの特定モデルが搭載。頭皮や髪へのケアを目的とする。
- 状態表示ランプ: パナソニック、ダイソンなど多くのメーカー。電源ONやモード表示、異常通知が目的。
まずは、ご自身のドライヤーがどちらに当てはまるのかを確認することが重要です。
美容機能(LED):アレティ(Areti) d1621の3色LED

「緑の光」を美容機能として搭載している代表的な製品が、Areti(アレティ)の「Kozou モイスト 美容 ドライヤー (d1621)」です。この製品は、一般的なドライヤー機能に加え、赤外線LED・青色LED・緑色LEDの3色のライトを照射する機能を備えています。
メーカーや販売サイトの説明によれば、これらの3色のLEDライトとマイナスイオンの組み合わせによって、「最上級の潤いを与えながらのヘアドライを実現する」とされています。具体的には、髪の悩みに「それぞれアプローチする」と説明されており、ドライの時間を積極的なヘアケアタイムに変えることを目的としています。
このモデルは、他にも6段階の風量調整機能があり、デリケートな髪質にも対応できることや、ハンズフリーで使用できる点、100V-240V対応で海外でも使用可能な点も特徴です。このように、Aretiのd1621は、光美容という付加価値を前面に出した、非常にユニークなコンセプトのドライヤーと言えます。

状態ランプ:パナソニックやダイソンの「緑の点灯」


一方で、パナソニックの「ナノケア」シリーズや、ダイソンの「Supersonic Ionic」、リファの「BEAUTECH DRYER」など、市場の大多数を占める人気ドライヤーの場合、「緑の光」は美容機能ではありません。
これらの製品で緑色のランプが点灯、あるいは点滅する場合、それは「状態表示(インジケーター)」です。例えば、以下のような意味合いで使われることが一般的です。
- 電源がONになっていることを示す
- 「スカルプモード」や「スキンモード」など、特定の送風モードが選択されていることを示す
- 温風と冷風が切り替わる「温冷リズムモード」のサイン
- フィルターの掃除時期や、本体の異常を知らせる「エラー通知」(点滅する場合が多い)
これらはあくまで機械の状態を示すためのもので、Aretiの製品のように光を髪や頭皮に照射してケアする目的のものではありません。光っていること自体に特別なヘアケア効果はないため、混同しないように注意が必要です。
ランプの「点滅」は取扱説明書を確認
もしお使いのパナソニックやダイソンなどのドライヤーで、緑や赤のランプが「点滅」している場合は、何らかの異常やフィルター詰まりを知らせるサインである可能性が高いです。美容機能と勘違いして放置せず、すぐに使用を中止し、取扱説明書を確認するか、メーカーのサポートセンターに問い合わせてください。
LED美容はドライヤーの主流機能ではない
ここで一度、美容家電市場全体を俯瞰してみましょう。AretiがLED美容機能を搭載している一方で、ドライヤー市場のリーダーであるパナソニック、ダイソン、リファといったメーカーの最新高級モデルを比較しても、LED美容機能は搭載されていません。
例えば、パナソニックは「ナノイー」技術による水分補給とキューティクルの引き締め、ダイソンはインテリジェント・ヒートコントロールによる熱ダメージの防止とパワフルな風速、リファは「プロセンシング」による対象物(髪)の温度を感知した自動温度調節、といった点を技術的な強みとしています。
これは、現在の高級ドライヤー市場の技術開発が、主に「風量・風速」「精密な温度制御」「イオン技術による保湿・静電気防止」の3点を中心に進んでいることを示しています。LED美容機能は、現状ではまだ一部のメーカーが採用するニッチで先進的なアプローチであり、ドライヤーの「主流」機能とは言えないのが実情です。
ドライヤーの緑・赤・青の光(LED)の科学的根拠と効果
- 緑色LED:育毛と色素沈着への研究
- 赤色LED:育毛(LLLT)のメカニズム
- 青色LED:頭皮の殺菌効果(アクネ菌)
- LEDドライヤーの安全性と電気用品安全法(PSE)
- Areti(アレティ) d1621のスペックと機能まとめ
緑色LED:育毛と色素沈着への研究


では、Aretiなどが搭載する「緑の光」=緑色LEDには、どのような効果が期待されているのでしょうか。メーカーの主張は「髪の悩みにアプローチする」といった抽象的なものですが、美容医療や皮膚科学の分野では、緑色LEDに関するいくつかの興味深い研究報告があります。
一つは、育毛への効果です。2024年に発表されたある研究では、壮年性脱毛症(AGA)の男女17名(平均年齢46.47歳)を対象に、赤色LED(630nm)と緑色LED(530nm)を6ヶ月間照射する比較試験が行われました。その結果、赤色LEDおよび緑色LEDの両方が毛髪の成長を促進し、毛髪密度と太さが増加したことが報告されており、赤色LEDはさらに顕著な改善をもたらしました。これは、緑色LEDにも毛髪の成長サイクルに何らかの良い影響を与える可能性を示唆しています。
もう一つは、皮膚の色素沈着(シミ)への効果です。2025年5月に発表された研究報告では、505nm(ナノメートル)の波長の緑色LED(GLED)が、B16マウスメラノーマ細胞および3D皮膚モデルにおいてメラニン生成を抑制したことが示されました。さらに、ヒトの顔面皮膚に対する8週間の介入試験(マスク型デバイス使用)でも、メラニンインデックスが低下し、色素沈着が効果的に改善されたと報告されています。これは、緑色LEDが頭皮のシミや加齢による色素沈着のケアにも役立つ可能性を示しています。
赤色LED:育毛(LLLT)のメカニズム


3色LEDの中で、最も育毛に関する研究が進んでいるのが赤色LEDです。これは「低出力光線治療(LLLT: Low-Level Laser Therapy)」とも呼ばれ、美容クリニックや家庭用の育毛機器にも広く応用されています。
赤色LED(一般的に650nm前後の波長)の主なメカニズムは、毛髪を作り出す「毛包(もうほう)」の幹細胞を刺激することにあると考えられています 。具体的には、毛髪の「成長期(アナゲン)」を延長させ、「休止期(カタゲン)」への移行を遅らせる働きが報告されています。毛包が長く成長期にとどまることで、髪が太く、長くなることが期待されます。
実際に、壮年性脱毛症の男性を対象にした臨床試験では、655nmのLLLTを16週間にわたり隔日で照射したグループで、毛髪数が35%増加し、対照群と比較して有意な改善が認められています。すでに多くのLLLT機器がFDA(アメリカ食品医薬品局)の承認も受けており、その安全性と効果は一定のコンセンサスが得られていると言えるでしょう。
LLLT(低出力光線治療)とは?
LLLTは、特定の波長の赤色光や近赤外線を低出力で照射する治療法です。熱を発生させずに細胞の活動を活性化させる(フォトバイオモジュレーション)とされています。育毛のほか、創傷治癒や疼痛緩和など、さまざまな医療分野で研究・応用が進んでいます。
青色LED:頭皮の殺菌効果(アクネ菌)


最後に、青色LEDの効果です。青色LEDは、育毛ではなく、主に頭皮の「殺菌」による環境改善を目的としています。
青色LED(407〜420nmの波長)は、ニキビの原因菌として知られる「アクネ菌(Cutibacterium acnes)」に対して強力な殺菌効果を持つことがわかっています。アクネ菌は、皮脂を好み、頭皮にも常在しています。この菌が過剰に増殖すると、頭皮ニキビや毛穴の炎症を引き起こし、頭皮環境の悪化につながります。
青色LEDの光は、アクネ菌が体内に持つ「ポルフィリン」という光感受性物質に吸収されます。すると、活性酸素(ROS)が発生し、これがアクネ菌自体を死滅させるという仕組みです。
したがって、青色LED機能は、頭皮のベタつき、ニキビ、かゆみなどが気になる方のスカルプケアに適していると言えます。髪を乾かすと同時に頭皮をクリーンな状態に保つサポートが期待できるのです。



LEDドライヤーの安全性と電気用品安全法(PSE)


LEDのような先進的な機能が搭載されていると、「安全性は大丈夫?」と心配になる方もいらっしゃるかもしれません。美容家電を選ぶ上で、安全性は何よりも優先すべき項目です。
まず、ドライヤーは「電気用品安全法(PSE法)」という法律の規制対象です。日本国内で正規に販売されるすべてのドライヤーは、国の定めた安全基準(絶縁性能、耐熱性、異常時(ショート時)の安全性など)をクリアし、「PSEマーク」を表示する義務があります。Aretiの公式サイトや販売ページでも、「PSE検査済み」であることが明記されています。
次に、LEDの「光」自体の安全性です。これは「光生物学的安全性」と呼ばれ、JIS(日本産業規格)やIEC(国際電気標準会議)によって、目や皮膚に対する安全基準が定められています。家庭用美顔器やドライヤーに搭載されるLEDは、これらの基準に基づき、正しく使用すれば安全なレベルの出力に調整されています。
【重要】PSEマークの無い製品は絶対に使用しない
フリマアプリや海外のECサイトから個人輸入した安価なドライヤーの中には、このPSEマークが付いていない違法な製品が紛れていることがあります。これらの製品は、漏電、発火、火災の重大なリスクがあり、非常に危険です。価格の安さだけで選ばず、必ずPSEマークが付いている正規の製品を購入してください。
Areti(アレティ) d1621のスペックと機能まとめ
最後に、「緑の光」が気になってこの記事にたどり着いた方のために、その代表的な搭載モデルであるAreti(アレティ)の「Kozou モイスト 美容 ドライヤー (d1621)」の主なスペックと機能をまとめておきます。
この製品の最大の魅力は、やはり「3色LED」と「マイナスイオン」によるヘア&スカルプケア機能です。それに加え、本体重量が約360gと非常に軽量であること、6段階の細かな風量調節が可能でデリケートな髪やお子様の髪にも使いやすいこと、そして100V-240Vの海外対応である点も、他社の高級ドライヤーにはない大きなメリットです。
一方で、消費電力は800W〜1000Wであり、一般的な1200Wクラスの速乾ドライヤーと比較すると、風量はややマイルドと推測されます。髪をとにかく1秒でも早く乾かしたい、というニーズよりも、毎日のドライ時間を美容タイムとして活用したい、という方に向いている製品と言えるでしょう。
| 項目 | Areti Kozou d1621 スペック詳細 |
|---|---|
| メーカー / ブランド | Areti(アレティ) |
| 品番 | d1621WH |
| 本体重量 | 約360g (本体のみ) |
| サイズ(使用時) | 75(幅) × 200(高さ) × 210(奥行)mm |
| サイズ(折りたたみ時) | 75(幅) × 95(高さ) × 210(奥行)mm |
| 電源電圧 | 100V-240V(海外対応) |
| 消費電力 (100V時) | 800W〜1000W |
| 主な機能 | 3色LED(赤・青・緑)、マイナスイオン、6段階風量調節、ハンズフリー対応 |
| JANコード | 4562373030092 |
総括:「ドライヤー 緑の光」の正体は、LED美容機能と状態ランプの2種類
この記事のまとめです。
- 「ドライヤー 緑の光」には主に2つの意味がある
- 一つはAreti(アレティ) d1621などが搭載する「美容LED機能」である
- もう一つはパナソニックなどの「状態表示ランプ」である
- 美容LED機能は、まだドライヤーの主流機能ではない
- AretiのLEDは緑・赤・青の3色を搭載している
- メーカーの主張は「髪の悩みにアプローチする」というものだ
- 緑色LEDには、毛髪の密度と太さを増加させるという研究がある
- 緑色LED(505nm)はメラニン産生を抑制するという研究結果もある
- 赤色LED(LLLT)は、育毛効果に関する研究が最も多い
- 赤色LEDは毛包の「成長期(アナゲン)」を延長させることが示唆される
- 青色LEDは、頭皮のアクネ菌(C. acnes)に対する殺菌効果が確認されている
- LEDドライヤーも電気用品安全法(PSE)の対象である
- 購入時は必ずPSEマークの有無を確認すべきだ
- パナソニックやダイソンの緑ランプは美容機能ではない
- ランプが点滅する場合は、故障の可能性もあるため取扱説明書を確認すべきである











