「トラックオイル、ドライヤー前に使ってもいいの?」と疑問に思っていませんか。人気のトラックオイルですが、正しい使い方を知らないと「髪がベタつく」「乾かない」といった失敗の原因に。この記事では、美容家電のプロが「トラックオイルをドライヤー前に使う」正しい順番と、熱から髪を守るメカニズムを徹底解説します。No.1, No.2, No.3の違いから、高級ドライヤーとの相性、発火のウソまで、全注意点を網羅します。
- トラックオイルはドライヤー前の「タオルドライ後」が正解
- ドライヤーの熱を味方にする「エモリエント効果」とは
- 髪質別(No.1, 2, 3)の選び方と適量
- ドライヤーの発火リスクとオイルの無関係性を解説
トラックオイルのドライヤー前使用:正しい順番と効果
- ドライヤー前にトラックオイルを使う最適なタイミング
- 髪を熱から守るメカニズムとエモリエント効果
- No.1, 2, 3の違いとドライヤー前のおすすめ
- 高級ドライヤーとトラックオイルの相性
ドライヤー前にトラックオイルを使う最適なタイミング

トラックオイルをドライヤー前に使う最適なタイミングは、シャンプーとトリートメントを終え、しっかりとタオルドライした後です。メーカーの公式サイトでも、スタイリング剤としてだけでなく「アウトバストリートメント」としての使用が推奨されています。
なぜこの「タオルドライ後・ドライヤー前」のタイミングが最適なのでしょうか。それは、髪が「濡れている」状態が、オイルの恩恵を最も受けやすいためです。ただし、「濡れている」にも2種類あります。
まず、シャンプー直後の「びしょ濡れ」の状態。この時、髪は水分で飽和しています。油であるオイルは水を弾くため、この状態でオイルをつけても髪の表面で弾かれてしまい、うまく浸透・コーティングできません。
次に、完全に乾いた髪。この状態では、オイルは「スタイリング剤」として髪の表面にツヤを与えますが、髪の内部に水分を「閉じ込める」という役割は果たせません。
最適解は、水が滴り落ちないよう、しかし湿り気は残っている「しっかりとタオルドライした髪」です。この状態は、お風呂の湯気や水分で髪の表面にある「キューティクル」が適度に開いています。この瞬間にトラックオイルを塗布することで、髪内部に残っている水分をオイルが包み込み、そのまま「フタ」をして閉じ込めることができます。同時に、髪の表面をコーティングして、この後のドライヤーの熱に備えることができるのです。
【美髪へのステップ】
- シャンプー&トリートメント
- タオルドライ(髪を擦らず、優しく水分を吸い取る)
- トラックオイルを適量、中間〜毛先に塗布
- ドライヤーで根元から乾かす
この順番こそが、トラックオイルを「アウトバストリートメント」として最大限に活かすための鍵となります。
髪を熱から守るメカニズムとエモリエント効果

「オイルを髪につけて熱を加えたら、天ぷらを揚げるように髪が“揚がって”しまわないか」——これは非常によくある誤解であり、ドライヤーの熱とオイルの化学を理解すれば、その心配が不要であることがわかります。
オイルが発火する温度を「引火点」と呼び、煙が出始める温度を「発煙点」と呼びます。トラックオイルに配合されているひまわり油の場合、引火点は約210~220°C、発煙点は約230°C前後とされています。一方、一般的なヘアドライヤーの温度は100°C〜120°C、高温を謳うモデルでも吹き出し口から3cmの距離で140°C程度です。つまり、ドライヤーの熱は、オイルが「燃える」温度より約90°C以上も低いのです。
では、オイルは何をしているのでしょうか? 答えは「揚げる」の正反対、「保護する」ことです。
トラックオイルに含まれるオリーブ果実油やブロッコリー種子油などの植物オイルは、髪の表面にコーティング膜を形成して内部の水分の蒸散を抑えます。特にブロッコリー種子油は、「天然のシリコン」とも呼ばれ、髪を優しく保護するエモリエント効果を発揮します。
エモリエント効果とは、毛髪の水分蒸散を抑えてうるおいを保ち、髪に柔軟性を与える効果のこと。つまり、ドライヤーの熱風が直接髪の水分を奪いすぎるのを、オイルの膜が防いでくれるのです。オイルは熱で「揚がる」のではなく、ドライヤーの熱を味方につけて髪表面に安定した保護膜を形成し、過乾燥から髪を守る「シールド」の役割を果たしてくれます。
No.1, 2, 3の違いとドライヤー前のおすすめ

「トラックオイルはどれも同じじゃないの?」と思われがちですが、No.1, No.2, No.3は、それぞれ質感と保湿力が明確に異なります。メーカー公式サイトによれば、3種類すべてがアウトバストリートメントとして使用可能ですが、あなたの髪質に合わないものを選ぶと、失敗の元になります。

ドライヤー前の「熱保護」と「保湿」を目的とする場合、以下の公式な特徴を参考に、自分の髪質に合ったものを選んでください。
- track Oil No.1(フレッシュシトラスの香り)
質感は「軽い」。天然由来成分100%のサラサラとしたテクスチャです。軟毛・細毛の方や、髪のボリュームを失いたくない方におすすめです。 - track Oil No.2(シトラスハーブの香り)
質感は「中間」。天然由来成分99.2%。しなやかなまとまり感と、軽いエアリー感を両立します。普通毛〜硬毛の方、または乾燥やダメージが少し気になる方の万能な選択肢です。 - track Oil No.3(シトラスフローラルの香り)
質感は「重い(リッチ)」。天然由来成分99.19%。金木犀の香りが人気ですが、機能面では最も保湿力が高いのが特徴。多毛・硬毛でまとまりにくい方や、乾燥・ハイダメージ毛の方に最適です。
| 製品 | 質感 | 天然由来成分 | おすすめの髪質 |
|---|---|---|---|
| track Oil No.1 | 軽い(サラサラ) | 100% | 軟毛・細毛 / ボリュームを維持したい方 |
| track Oil No.2 | 中間(しなやか) | 99.2% | 普通毛〜硬毛 / 乾燥・ダメージ毛 |
| track Oil No.3 | 重い(しっとり) | 99.19% | 多毛・硬毛 / まとまりにくい / ハイダメージ毛 |
ドライヤー前の使用は、「熱から守る」という観点では保湿力が高いほど効果が期待できますが、それ以上に「仕上がりの重さ」が髪質に合っているかが重要です。ご自身の髪の悩みに合わせて選びましょう。
高級ドライヤーとトラックオイルの相性


「高機能なドライヤーを使っているから、熱保護オイルは必要ないのでは?」という疑問を持つ方もいらっしゃいます。高価なトラックオイルをお使いの方は、同じく美容意識が高く、高価格帯のドライヤー(例:パナソニック、ダイソン、シャープなど)をお持ちのケースも多いため、これは重要な疑問です。
結論から言うと、両者の相性は抜群であり、併用こそが理想です。これらは機能が重複しているのではなく、それぞれ異なる役割を担い、お互いの効果を最大化する「相乗効果」を生み出します。



高級ドライヤーの役割は、インテリジェントな温度制御やマイナスイオン技術により、「外的要因」をコントロールすることです。静電気を抑え、過度な熱を与えず、大風量で「素早く」乾かすことで、髪が熱にさらされる時間そのものを短縮します。
トラックオイルの役割は、髪の「内的要因」をコントロールすることです。髪の内部に水分を閉じ込め、髪の表面に物理的な「保護膜」を作ります。この保護膜は、どれほど高性能なドライヤーであっても、必ず発生する熱による水分蒸発を最小限に抑えます。
トラックオイルをドライヤー前に使う際の全注意点
- 失敗しない「1円玉大」の適量と塗布範囲
- オイルで髪が乾かない?ベタつく時の対処法
- ドライヤー発火は嘘?消費者庁の安全情報
- スタイリング剤とアウトバス併用のコツ
失敗しない「1円玉大」の適量と塗布範囲


トラックオイルで最もよくある失敗が、「使用量を間違えること」です。特にドライヤー前のアウトバス使用では、この量が仕上がりを天国と地獄に分けます。
公式ガイドでは、使用量について2つの指標が示されています。サロンなどでは「1円玉大」を目安とするようアドバイスされることが多いです。一方で、製品の公式ページには、付属のスポイト(またはプッシュタイプ)での目安が記載されています。
- ショートヘア: 1〜2プッシュ
- ミディアムヘア: 2〜3プッシュ
- ロングヘア: 3〜4プッシュ



ここでの専門家としてのアドバイスは、「まず1円玉大から始め、足りなければ半プッシュずつ足す」という方法です。オイルは後から足すことはできますが、一度つけすぎると取り返しがつきません。特にNo.3のような重いオイルは、最初は「少し足りないかな?」と思うくらいがドライヤー後にはちょうど良くなります。
使用量以上に厳守すべきなのが「塗布範囲」です。
トラックオイルは、必ず「髪の中間から毛先」にかけて塗布してください。特にダメージが出やすい毛先にはしっかり揉み込み、手に残ったオイルを中間に伸ばします。
絶対にNGなのは、「頭皮」や「髪の根元」につけることです。根元につけると、毛穴が詰まる可能性や、髪が乾いたときに根元が潰れてボリュームダウンし、全体としてベタついた印象になる直接的な原因となります。
オイルで髪が乾かない?ベタつく時の対処法


「トラックオイルをつけたら、ドライヤーをいくら当てても髪が乾かない」——これは、ドライヤーの故障でもオイルの不良でもありません。100%「オイルのつけすぎ」が原因です。
メーカーの公式サイトでも「量が多すぎると、髪が乾きづらくなる」と明確に注意喚起されています。これはなぜ起こるのでしょうか?
物理的に、髪の水分を乾かすのはドライヤーの「熱」と「風」です。しかし、オイルを推奨量をはるかに超えて塗布すると、髪一本一本が分厚い「油の膜」で包み込まれてしまいます。水と油は反発し合いますが、この油膜が強すぎると、髪の内部に残った水分が外に出るのを物理的にブロックしてしまうのです。さらに、油膜自体が風を通しにくくします。
この状態を、私は「オイルログ(Oil-logged)」と呼んでいます。水分が油に閉じ込められ、ドライヤーの風が届かない状態です。あなたの髪は「濡れている」のではなく「油で重く湿っている」のです。
この「オイルログ」状態で「もっと長くドライヤーを当てる」のは最悪の選択です。乾かない水分を飛ばそうと熱を加え続けると、油だけが髪に焼き付いていき、ベタつきを悪化させます。
一度この状態になったら、残念ながらリセットするしかありません。乾いたタオルで髪を挟み、叩くようにして油分をできるだけ吸い取るか、ひどい場合はドライシャンプーで油分を吸着させる、または諦めてもう一度洗い流すのが賢明です。
解決策はただ一つ、「次回、量を半分に減らす」ことです。
ドライヤー発火は嘘?消費者庁の安全情報
「油(オイル)と熱(ドライヤー)を組み合わせるなんて、火事にならないか不安」という安全に関する懸念は、非常に合理的で重要です。美容家電の専門家として、この点について公式なデータに基づき、権威を持って回答します。
前述の通り、オイルの発煙点(約230°C)はドライヤーの最高温度(約140°C)をはるかに上回っており、科学的に引火する環境にはありません。



あなたの不安は、「オイル」に向けるべきではありません。「ドライヤー本体」に向けるべきです。消費者庁や国民生活センターは、ヘアドライヤーによる火災事故について繰り返し警告しています。そして、公式に報告されている本当の発火原因は、ヘアオイルとは全く無関係です。
公式機関が警告する本当の発火原因は以下の2点です。
1. 電源コードの損傷:最も多い原因です。コードを本体にきつく巻き付けて保管したり、ねじれたまま使用したりすると、コードの根元が内部で断線し、そこから火花が散り発火します。
2. 吸気口・排気口の詰まり:空気を取り込む「吸気口」にホコリや切れた髪の毛が溜まると、内部に熱がこもり、モーターが異常過熱して発火の原因となります。
オイルを心配するよりも、「コードを本体に巻き付けない」「吸気口のホコリを定期的に掃除する」こと。これこそが、ドライヤーを安全に使う上で最も重要な知識です。
スタイリング剤とアウトバス併用のコツ


「ドライヤー前は、オイル以外にもヘアミルクも使っているけど、順番は?」これは、ヘアケア上級者からよく寄せられる質問です。トラックオイルと、他のアウトバストリートメント(例:ヘアミルク、ヘアミスト)を併用する場合、「塗布する順番」が決定的に重要です。
この順番を理解するために、それぞれの役割を理解しましょう。
- ヘアミルク、ヘアミスト(水分ベース)の役割:
これらは主に水分や水溶性の補修成分でできています。最大の目的は、髪の「内部に浸透」し、水分補給やダメージ補修を行うことです。 - トラックオイル(油分ベース)の役割:
これらは油分です。最大の目的は、髪の「表面をコーティング」し、内部の水分や栄養分を「閉じ込め(フタをし)」、外部の熱や摩擦から「保護」することです。
スキンケアで化粧水(水分)の後に乳液(油分)でフタをするのと同じです。もし先にトラックオイルを塗布してしまうと、その強力な油膜が髪の表面をコーティングしてしまい、後から塗るヘアミルクの浸透をブロックしてしまいます。それでは高価なトリートメントも効果が半減です。
正しい順番は、以下の通りです。
- タオルドライした髪
- ヘアミルクやミストを塗布(内部補修)
- その上から、トラックオイルを塗布(フタ・保護)
- ドライヤーで乾かす



このレイヤリング(重ね付け)技術をマスターすれば、それぞれの製品のメリットを最大限に引き出し、ワンランク上の仕上がりを手に入れることができます。
総括:トラックオイルのドライヤー前使用は、髪質と適量こそが鍵
この記事のまとめです。
- トラックオイルはドライヤー前の使用が公式に推奨されている
- 最適なタイミングは「シャンプー後、タオルドライ後」である
- 濡れた髪の内部水分を閉じ込める「アウトバストリートメント」として機能する
- オイルがドライヤーの熱で「揚がる」ことは科学的にない
- ドライヤーの熱は100-140℃、オイルの発煙点は約230℃以上である
- オイルは「エモリエント効果」で髪の水分蒸発を防ぎ、熱から守る
- No.1は「軟毛・細毛」、No.2は「普通毛」、No.3は「硬毛・ハイダメージ毛」向けである
- 髪質と異なる番号を選ぶと、ベタつきや物足りなさの原因となる
- 高級ドライヤーとオイルの併用は、互いの効果を高める相乗効果がある
- 適量の目安は「1円玉大」から始め、髪の長さで調整する
- 最重要ルールは「中間から毛先」に塗布し、頭皮を避けることである
- オイルの量が多すぎると、髪が物理的に乾かなくなる
- ドライヤーの発火事故とヘアオイルの因果関係は公式に確認されていない
- 本当のドライヤー火災リスクは「コードの損傷」と「ホコリ」である
- ミルク等の併用は「水分(ミルク)が先、油分(オイル)が後」が鉄則である











