くしでとかしながらドライヤーは髪が痛む?正しい方法とおすすめ4選

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「髪をくしでとかしながらドライヤーをかければ、時短でキレイにまとまりそう」そう考えていませんか?実はその乾かし方、やり方を間違えると深刻な熱ダメージの原因になりかねません。濡れた髪は非常にデリケートで、間違ったブラシ使いと熱は、パサつきや枝毛を招いてしまうのです。
この記事では、毛髪科学の専門知識に基づき、なぜその方法が危険なのか、そして髪を傷めずにサラツヤ髪を実現する正しい乾かし方の3ステップを徹底解説します。さらに、その仕上がりを格上げする「カールドライヤー」の選び方から、パナソニック「ナノケア」やダイソン「Airwrap」など、厳選したおすすめモデルまでご紹介。あなたのヘアケアを、今日から変えてみませんか?

  • くしでとかしながらドライヤーをかける際の髪ダメージの仕組み
  • 髪を傷めないための正しい乾かし方の具体的な3ステップ
  • カールドライヤー選びで失敗しないための3つの重要ポイント
  • 最新技術を搭載したおすすめカールドライヤー4機種の徹底比較
目次

「くしでとかしながらドライヤー」は髪が痛む?正しい方法と注意点

  • 濡れた髪にブラシはNG?髪へのダメージメカニズム
  • 髪を傷めない!正しい乾かし方の3ステップ
  • やってはいけない!NG行動と安全な使い方
  • 手ぐし・ブラシ・カールドライヤーの違いと選び方

濡れた髪にブラシはNG?髪へのダメージメカニズム

「くしでとかしながらドライヤー」という行為がなぜ髪に良くないのか、その核心は「濡れた髪の脆弱性」にあります。髪の毛は、表面をうろこ状の「キューティクル」が覆うことで、内部の水分や栄養を守っています。しかし、髪が濡れるとこのキューティクルが水分を含んで開き、非常にデリケートで傷つきやすい状態になるのです。

この無防備な状態でブラシ、特に目の細かい櫛を通すと、開いたキューティクルに物理的な摩擦が加わり、剥がれたり、ささくれたりする原因となります。これが、ツヤの低下や手触りの悪化、枝毛・切れ毛の直接的な引き金となります。

さらに深刻なのが、「熱ダメージ」です。髪の主成分はタンパク質ですが、このタンパク質は熱によって変性し、一度変性すると元に戻りません。これを「タンパク質変性」と呼び、生卵が熱でゆで卵になるのと同じ現象です。驚くべきことに、このタンパク質変性が始まる温度は髪の状態で大きく異なります。乾いた髪では約130℃程度から変性が始まりますが、濡れた髪は水分を含むことでタンパク質がより熱の影響を受けやすい状態になります。特に、湿度の高い環境では低温でもダメージを受けやすくなるため、濡れた髪への高温の使用は避けるべきです。一般的なドライヤーの温風は100℃を超えることも珍しくありません。つまり、濡れた髪にブラシを当ててドライヤーの熱を集中させる行為は、髪のタンパク質を破壊する「完璧な条件」を作り出していると言えるのです。

髪を傷めない!正しい乾かし方の3ステップ

髪へのダメージを最小限に抑え、美しい仕上がりを手に入れるためには、「乾かす」工程と「スタイリングする」工程を意識的に分けることが重要です。美容のプロが実践する、髪を傷めない正しい乾かし方の3ステップをご紹介します。

ステップ1:優しいタオルドライと下準備
お風呂上がりは、まずタオルで髪の水分を優しく吸い取ります。このとき、ゴシゴシと擦るのは絶対にNG。頭皮の水分をタオルで押さえるように拭き、毛先はタオルで挟んでポンポンと軽く叩くように水分を取り除きましょう。 その後、目の粗いコーム(櫛)や手ぐしで、絡まりやすい毛先から優しくとかし始め、徐々に根元に向かって全体を整えます。この段階で洗い流さないトリートメントをつけるのも、熱から髪を守るために非常に効果的です。

ステップ2:根元から手ぐしで8割乾かす
次に、ドライヤーを使って髪を乾かしていきますが、ここではまだブラシは使いません。片手でドライヤーを持ち、もう片方の手(手ぐし)で髪の根元を優しく持ち上げたり、指で髪を散らしたりしながら、まずは頭皮と髪の根元を中心に乾かしていきます。 根元が乾きにくい部分なので、ここを先に乾かすことで全体の乾燥時間が短縮され、毛先のオーバードライ(乾かしすぎ)を防げます。この「手ぐしドライ」で髪全体の8割程度が乾いた状態を目指しましょう。

ステップ3:仕上げのブラシでスタイリング
髪が8割方乾いたら、いよいよブラシの出番です。この状態の髪はキューティクルが閉じてきており、熱や摩擦への耐性が高まっています。ここで初めて、ブラシを使って髪の流れを整えたり、内巻きにしたりといったスタイリングを行います。 ブラシで髪に軽くテンション(張力)をかけながらドライヤーの温風を当て、最後に冷風で仕上げるとキューティクルが引き締まり、ツヤが出てスタイルも長持ちします。 この仕上げの工程に特化した便利なアイテムが、後述する「カールドライヤー」です。

やってはいけない!NG行動と安全な使い方

美しい髪を育むためには、日々のドライヤーの安全な使い方も非常に重要です。消費者庁や国民生活センターからも注意喚起されている、思わぬ事故やトラブルを防ぐためのポイントを必ず守りましょう。

まず、最も危険なNG行動が「電源コードを本体に巻きつけて収納する」ことです。これを繰り返すと、コードの付け根部分に負荷がかかり、内部の導線が断線する「断線ショート」を引き起こす可能性があります。使用中に火花が散ったり、発火したりする重大な事故の原因となるため、絶対にやめましょう。 コードが熱くなったり、ドライヤーが途中で止まったりといった異常を感じたら、すぐに使用を中止してください。

また、製品選びの際には、安全基準を満たした証である「PSEマーク」の有無を必ず確認してください。これは「電気用品安全法」に基づき、日本国内で販売される電気製品に表示が義務付けられているマークです。 特に安全性が求められる製品には「ひし形PSEマーク」、それ以外の製品には「丸形PSEマーク」が表示されています。 このマークがない製品は、安全性が保証されておらず、製造・販売が法律で禁止されているため、購入してはいけません。

安全な使用のためのチェックリスト

  • コードを本体に巻きつけず、ゆとりを持たせて保管する
  • 髪が吸込口に吸い込まれないよう、10cm以上離して使う
  • 使用後は必ずコンセントからプラグを抜く
  • PSEマークのある、信頼できる製品を選ぶ
  • 万が一、皮膚の異常やかゆみ、めまいなどを感じたらすぐに使用を中止する

製品の安全性は、基準を満たしたメーカーと、正しく使うユーザー双方の責任によって保たれます。大切な髪と暮らしを守るため、これらのルールを習慣にしましょう。

手ぐし・ブラシ・カールドライヤーの違いと選び方

髪を乾かしながらスタイリングする際には、いくつかのツールが考えられますが、それぞれに最適な役割とタイミングがあります。違いを理解し、適切に使い分けることが美髪への近道です。

手ぐし(ハンドブロー)
髪が最もデリケートな濡れている状態(乾燥の初期段階)で使うべき、最も優しいツールです。指の腹で頭皮をマッサージするように乾かしたり、髪の束を優しく持ち上げて風を通したりすることで、摩擦を最小限に抑えながら効率的に根元を乾かすことができます。 ダメージを避け、髪本来の質感を活かすための基本技術と言えます。

ブラシとドライヤー(セパレート)
美容師が用いる伝統的な方法で、髪が8割乾いた後のスタイリング段階で真価を発揮します。ブラシで的確にテンションをかけ、狙った場所にドライヤーの風を当てることで、クセを伸ばしたり、毛流れを整えたりと、非常に精密なスタイリングが可能です。ただし、両手をうまく連動させるには慣れが必要で、初心者には少し難しく感じられるかもしれません。

カールドライヤー(ブラシ付きドライヤー)
まさに「くしでとかしながら乾かす」というニーズに応えるために開発された、ブラシとドライヤーが一体化した家電です。片手で扱えるため、誰でも簡単に髪にテンションをかけながら温風を当てることができ、まとまりのあるスタイルを手軽に作れます。 ただし、その構造上、髪に直接熱源が触れやすいため、必ず髪が8割以上乾いた仕上げの段階で使うのが鉄則です。濡れた髪に最初から使うと、深刻なダメージの原因となるため注意が必要です。

カールドライヤーは、まさに皆さんがやりたいことを安全かつ効率的に実現するための「専用ツール」なんです。ただし、使うタイミングが最も重要ですよ!

【2024年版】くしでとかしながら使うドライヤー(カールドライヤー)おすすめ4選

  • カールドライヤー選びで失敗しない3つのポイント
  • 【高機能モデル】パナソニック「ナノケア」シリーズ
  • 【革新的技術】ダイソン「Airwrap」シリーズ
  • 【高コスパモデル】テスコム&コイズミ

カールドライヤー選びで失敗しない3つのポイント

カールドライヤーは便利な反面、製品によって性能が大きく異なります。自分の髪質や目的に合わないものを選ぶと、かえって髪を傷めたり、うまくスタイリングできなかったりすることも。購入で失敗しないために、押さえるべき3つのポイントを解説します。

ポイント1:髪をいたわるケア機能(イオン機能など)
熱を扱うカールドライヤーにとって、髪へのダメージをいかに軽減するかは最も重要な要素です。マイナスイオンやパナソニック独自の「ナノイー」といったイオン機能は、髪の静電気を抑え、キューティクルを整えてまとまりを良くする効果が期待できます。 また、温風で形作ったスタイルを瞬時に固定し、ツヤを与える「冷風(クールショット)機能」の有無もチェックしましょう。これらの機能は、スタイリングの性能と、髪を保護する性能のバランスを取る上で欠かせません。

ポイント2:仕上がりを左右するブラシの形状と素材
ブラシ部分は、スタイリングの仕上がりを直接左右するパーツです。例えば、髪をしっかりと捉えてクセを伸ばしたいなら、テンションをかけやすい豚毛などの天然毛や、目の細かいブラシが適しています。 根元のボリュームアップ用、毛先のカール用、ストレート用のブロー用など、目的に合わせたアタッチメントが豊富なモデルを選ぶと、一台で様々なスタイルが楽しめて便利です。

ポイント3:パワーと優しさのバランス(ワット数と温度)
消費電力(ワット数)は、風量や温度の目安になります。1000W以上のハイパワーモデルは速くスタイリングできますが、その分高温になりがちで、髪への負担も大きくなる可能性があります。一方、500~700W程度のモデルは、パワーは控えめですが、髪へのダメージを抑えながら優しくスタイリングできるため、髪が細い方やダメージが気になる方におすすめです。 自分の髪質と、スタイリングにかけられる時間とのバランスを考えて選びましょう。

おすすめカールドライヤー性能比較表

スクロールできます
メーカー・モデル 代表的な技術 ブラシの特徴 消費電力 価格帯 こんな人におすすめ
パナソニック
ナノケア EH-KN0J
高浸透ナノイー サロンブローブラシ等5種のアタッチメント 650W 高価格帯 髪のパサつきやうねりが気になる、最高のケア性能を求める人
ダイソン
Airwrap
コアンダ効果
インテリジェント・ヒートコントロール
各種カーラー、ブラシなど用途別アタッチメント 1175W 超高価格帯 熱ダメージを徹底的に避けたい、革新的なスタイリングを体験したい人
テスコム
ione TC530A
マイナスイオン 美容室愛用の豚毛ブラシ2種 700W 中価格帯 サロンのような本格的なブロー仕上げを、コスパ良く実現したい人
コイズミ
イオンバランス KHC-5070/K
イオンバランス技術
温冷自動切替
ボリュームアップ、ブローアイロン等3種のブラシ 1000W 中価格帯 パワフルな速乾性と多彩なアタッチメントで、様々なスタイルを楽しみたい人

【高機能モデル】パナソニック「ナノケア」シリーズ

ヘアケア家電の分野で絶大な信頼を誇るパナソニック。そのカールドライヤーの最上位モデルが「ナノケア」シリーズです。最大の特徴は、独自の「高浸透ナノイー」技術。これは、一般的なマイナスイオンと比較して、水分発生量を格段に高めた微細なイオンです。パナソニックの調査によれば、その水分量は一般的なマイナスイオン(代表的な粒子径:1.3nm)と比較して体積比で約1000倍にも達するとされています。このナノイーが髪に水分を与え、キューティクルを引き締めることで、髪の水分バランスを整える効果が期待できます。

この豊富な水分が髪に行き渡ることで、髪の水分バランスが整い、うねりを抑制。しっとりとまとまりのある、なめらかな指通りを実現します。 さらに、髪を健康な状態である弱酸性に保つ効果も報告されており、これが髪内部の結合を強め、ハリやコシのある健やかな髪へと導くのです。 まさに、スタイリングするたびに髪をケアするという発想を具現化した技術と言えるでしょう。

付属する「サロンブローブラシ」は、美容師のブロー技術を再現するために設計されており、髪を挟みながら内外から効率的に温風を当てることで、毛先までしっかりまとまるプロのような仕上がりを可能にします。 髪のダメージを本気で考え、最高のケア性能を求めるなら、間違いなく第一候補となるシリーズです。

【革新的技術】ダイソン「Airwrap」シリーズ

ダイソン「Airwrap」は、従来の「熱で髪を形作る」という常識を覆した、まさに革新的なスタイリングツールです。その核心技術は「コアンダ効果」と呼ばれる流体現象の応用。 これは、高速で噴出される気流が物体の表面に沿って流れる性質を利用し、髪を自動的にカーラーやブラシに引き寄せて巻きつける技術です。これにより、高熱のプレートを直接髪に押し当てることなく、風の力でスタイリングが可能になりました。

最大のメリットは、熱ダメージの徹底的な抑制です。搭載された「インテリジェント・ヒートコントロール」機能は、風温を毎秒40回以上も測定し、温度が150℃を超えないように常に制御。 濡れた髪が60℃からタンパク変性を起こすことを考えると、この温度管理がいかに髪を守る上で重要かがわかります。過度な熱に頼らないため、髪本来のツヤや潤いを保ちながら、カールやストレート、ブローといった多彩なスタイルを実現します。

ドライヤー、カーラー、各種ブラシといった豊富なアタッチメントが付属し、これ一台でドライからスタイリングまで完結するオールインワン性能も魅力。最新の「i.d.」モデルでは、アプリと連携して髪質に合わせた設定を自動で行うパーソナライズ機能も搭載されました。 価格は非常に高価ですが、熱ダメージというヘアスタイリングの根源的な課題を、技術で解決した唯一無二の存在です。

【高コスパモデル】テスコム&コイズミ

「高機能なモデルは魅力的だけど、価格が…」と感じる方に最適なのが、優れたコストパフォーマンスを誇るテスコムとコイズミです。これらのブランドは、プロ仕様の技術や利用者のニーズを巧みに取り入れ、手頃な価格帯で高品質な製品を提供しています。

テスコムは、多くの美容室で採用されているプロ用ブランド「Nobby」で培ったノウハウを家庭用製品に活かしているのが強みです。特に評価が高いのが、ブラシへのこだわり。上位モデルには、美容師が愛用する「豚毛ブラシ」が採用されています。 豚毛は適度な油分と水分を含み、静電気を抑えながら髪にツヤを与える効果があります。また、髪をしっかりとキャッチしてテンションをかけやすいため、クセを伸ばしながらまとまりのあるブローが可能です。サロン品質の本格的な仕上がりを、日常的に、そして経済的に手に入れたい方におすすめのブランドです。

一方、コイズミは、利用者の多様なニーズに応える製品ラインナップの豊富さが魅力です。パワフルな1000Wのハイパワーモデルから、携帯に便利なコンパクトモデル、海外対応モデルまで幅広く展開。 また、「先玉ボリュームキャッチブラシ」や「ロールキャッチブラシ」など、目的に特化したユニークなアタッチメントが充実しているのも特徴です。 自分の髪質や作りたいスタイルに合わせて、最適な一台を見つけやすいのがコイズミの大きなメリット。多彩な機能を手頃な価格で試してみたい、という方にぴったりの選択肢と言えるでしょう。

総括:「くしでとかしながらドライヤー」は、正しい知識と道具で美髪習慣に変わる

  • 「くしでとかしながらドライヤー」は濡れ髪に直接行うと危険である
  • 濡れた髪はキューティクルが開き、摩擦と熱に非常に弱い状態である
  • 髪のタンパク質変性は、濡れていると約60℃という低温から始まる
  • 正しい乾かし方は「タオルドライ→手ぐしで8割乾燥→ブラシで仕上げ」の3段階である
  • 乾燥工程とスタイリング工程を分ける意識が重要である
  • ドライヤーの電源コードを本体に巻く収納は断線や火災の危険がある
  • 安全な電気製品の証である「PSEマーク」の確認は必須である
  • カールドライヤーは、8割乾いた髪への使用が前提の専用ツールである
  • カールドライヤー選びは「ケア機能」「ブラシ」「パワー」の3点が鍵である
  • パナソニック「ナノケア」は高浸透ナノイーで髪を内側から潤す
  • ダイソン「Airwrap」は風の力でスタイリングし、熱ダメージを根本から抑制する
  • テスコムは豚毛ブラシなどプロ仕様の機能をコスパ良く提供する
  • コイズミは豊富なアタッチメントと幅広いラインナップで多様なニーズに応える
  • 自分の髪質と予算に合わせ、最適なカールドライヤーを選ぶことが大切である
  • 正しい知識と適切な道具選びが、未来の美しい髪を育む第一歩となる
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この記事を書いた人

家電好きなブロガー。
ドライヤーの機能や使い方を、みんなにわかりやすくお届けします。

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