エアーバングの前髪はドライヤーで作る!韓国風の巻き方とキープ術

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「韓国ドラマのヒロインのような、ふわっと風を含んだエアーバングに憧れるけれど、自分でやるとどうしてもペタンコになってしまう……」そんな悩みをお持ちではありませんか?実は、あの絶妙な抜け感と立体感を作るために最も重要なのは、高価なヘアアイロンのテクニックではなく、「ドライヤーによる熱と風のコントロール」にあります。

熱の力で髪の形状を変化させ、冷風で瞬時に固定するという毛髪科学の基本原理さえマスターすれば、不器用な方でもサロン帰りのような立ち上がりを再現することは可能です。この記事では、美容家電のエキスパートとしての視点から、髪へのダメージを最小限に抑えつつ、一日中ふんわり感をキープするための「ドライヤー活用術」を徹底解説します。

この記事のポイント

  • エアーバング特有の「空気感」を作るには毛先よりも根元の立ち上げが必須
  • ドライヤーの「温風で形作り、冷風で固定する」工程がキープ力の鍵
  • 高温のヘアアイロンよりもドライヤーの方が前髪への熱変性ダメージが少ない
  • 湿気に負けないためには、油分を避けたスタイリング剤選びが重要
目次

エアーバングとは?韓国風の抜け感前髪を作る前の準備と基礎知識

  • エアーバングとシースルーバングの違いをプロが解説
  • 失敗しないための土台作り!シャワー後のブロー手順
  • ドライヤーだけでセットするメリットと髪への負担軽減
  • スタイリングに必要な道具とドライヤーの選び方

エアーバングとシースルーバングの違いをプロが解説

エアーバングとシースルーバングの違いをプロが解説

美容室でのオーダーやSNSでの検索において、非常に多くの方が混同されているのが「エアーバング」と「シースルーバング」の違いです。理想のスタイルを確実に手に入れるためには、まずこの両者の決定的な構造の違いを理解する必要があります。

シースルーバングとは、おでこが透けて見えるほど薄くカットされた前髪の総称であり、どちらかと言えば「直線的なライン」や「束感」が強調されるスタイルです。清楚で可愛らしい印象を与えますが、ボリューム感は控えめです。

対してエアーバングは、その名の通り「空気(エアー)」を含んだような立体的なシルエットが最大の特徴です。シースルーバングの透け感をベースにしつつも、根元からしっかりと立ち上がりがあり、風になびいたような自然なカーブを描きます。特に重要視されるのが、前髪から顔周りのサイドバング(横髪)へと流れるような美しい「S字ライン」です。単に毛量が少ないだけでなく、重力に逆らうようなエアリーな質感が求められるため、カットの技術以上に、毎朝のスタイリングにおける「根元のコントロール」が成否を分けます。ドライヤーの風を使って根元に空気を含ませる工程こそが、このスタイリングの核心と言えるでしょう。

エアーバングの特徴まとめ

  • 質感: ふんわりと空気を含んだドライな質感
  • 形状: 根元が立ち上がり、毛先にかけて大きなカーブを描く
  • 印象: 大人っぽさ、抜け感、韓国女優風
  • 重要点: サイドバングへの自然な繋がり

失敗しないための土台作り!シャワー後のブロー手順

失敗しないための土台作り!シャワー後のブロー手順

美しいエアーバングを作れるかどうかは、実はアイロンやカーラーを使う前、髪を濡らした直後のブロー段階で8割が決まります。朝起きて、乾いた状態の髪にいきなりドライヤーやアイロンを当てても、寝癖や強力な生えグセがついたままでは、綺麗な立ち上がりは絶対に作れません。

まずは前髪の根元を水で地肌までしっかりと濡らし、夜のうちについたクセを完全に「リセット」することから始めてください。この工程を怠ると、どんなに優れたスタイリング技術を使っても、時間が経つとパックリ割れたり、左右非対称になったりしてしまいます。

ブローの際は、分け目を物理的に消すように乾かす「クロスブロー」というプロの技術を使います。
手順は以下の通りです。

  1. 前髪を指の腹で左右に激しくシャンプーするように振りながら、ドライヤーの強風を上から当てて根元の水分を飛ばします。
  2. 次に、右側の髪は左側へ、左側の髪は右側へと、本来の毛流とは逆方向に引っ張りながら乾かしてください。

これにより、頑固な生えグセが矯正され、根元がニュートラル(中立)な状態でふんわりと立ち上がります。前髪が割れやすい人は、特にこのクロスブローを徹底することで、一日中崩れないエアーバングの土台が完成します。

8割程度乾いたら、最後に冷風を当ててキューティクルを引き締め、ツヤを出しておくのもポイントです。

ドライヤーだけでセットするメリットと髪への負担軽減

ドライヤーだけでセットするメリットと髪への負担軽減

多くの人が前髪のセットにストレートアイロンやコテを使用していますが、実はエアーバングのふんわり感を作るには、ドライヤーをメインに使用する方が圧倒的にメリットが多いのです。最大の理由は「熱ダメージの大幅な軽減」にあります。一般的なヘアアイロンの設定温度は140℃~180℃と高温であり、これを毎日、しかも細くて繊細な前髪に挟んで当て続けると、髪の主成分であるタンパク質が硬くなる「熱変性(タンパク変性)」を起こします。結果、毛先がチリチリになったり、ホウキのように硬くなったりして、柔らかなカールが作れなくなってしまいます。

一方でドライヤーの温風は、吹き出し口で約100℃~120℃程度ですが、髪に届く時点ではさらに温度が下がり、約80℃〜90℃前後になります。この温度帯であれば、髪を硬化させる極端な熱変性を防ぎつつ、髪内部の「水素結合」を一時的に切断して形を変えるのに十分な熱を与えることができます。また、プレートでプレスするアイロンとは異なり、ドライヤーは「風」の力を利用するため、空気を含んだような柔らかい質感を自然に演出できます。おでこの火傷のリスクもなく、安全かつ健康的な髪の状態で、理想のスタイルを長く楽しむことができるのです。

スタイリングに必要な道具とドライヤーの選び方

スタイリングに必要な道具とドライヤーの選び方

エアーバングを成功させるためには、技術だけでなく適切な「道具選び」が欠かせません。特に重要なアイテムの選び方を以下の表にまとめました。

スクロールできます
道具 推奨スペック・選び方 役割・理由
マジックカーラー 直径30mm~40mmの中太サイズ エアーバング特有の緩やかなCカールを作るため。細すぎると古臭くなり、太すぎるとカールがつかない。
コーム(櫛) 目が細かく、静電気が起きにくい素材 毛流れを整え、サイドバングとの繋がりを作るため。
ドライヤー 「セットノズル」付属、「クールショット(冷風)」機能付き 風を一点に集中させ、温冷の切り替えでカールを固定するため。

主役であるドライヤーに関しては、「大風量」であることよりも「風温の切り替えレスポンス」と「セットノズル」の有無が重要です。温風と冷風を素早く切り替えられる機能や、自動で温冷リズムが変わるモードがあると、カールの固定力が格段に上がります。また、ドライヤーの先端に付ける「セットノズル(平たいアタッチメント)」は必ず装着してください。これがないと風が散乱してしまい、狙った根元の立ち上げができず、髪全体がボサボサになってしまいます。最新のドライヤーであれば、イオン機能によって静電気を抑え、まとまりを良くする効果も期待できるため、前髪のためだけに投資する価値は十分にあります。

ドライヤーで完成させるエアーバングの巻き方とキープ術

  • 根本の立ち上がりが命!風を当てる方向と角度の正解
  • マジックカーラーとドライヤーの温冷風テクニック
  • ふんわり感を一日中維持するスタイリング剤の付け方
  • 湿気でペタンコになるのを防ぐプロの修正テクニック

根本の立ち上がりが命!風を当てる方向と角度の正解

根本の立ち上がりが命!風を当てる方向と角度の正解

エアーバングの生命線は、毛先のカールよりも「根元の立ち上がり」にあります。ここがペタンコだと、単なる「伸びかけの邪魔な前髪」に見えてしまい、一気に垢抜けない印象になります。根元をふんわりと立ち上げるためには、ドライヤーの風を当てる「角度」と「タイミング」が極めて重要です。
まず、前髪の中央部分(黒目と黒目の間の幅にある髪)だけを取り分けます。この時、一度コームでとかして毛流れを整えておきましょう。

次に、マジックカーラーを巻く前に、指で前髪を垂直に持ち上げ、根元に対して「下から上へ」向かって弱温風を当てます。ドライヤーを近づけすぎないよう注意し、2〜3秒ほど熱を与えます。ここで最も重要なのが、温風を当てた直後に指で持ち上げた状態をキープしたまま、3秒ほど冷まして熱を逃がすことです。
髪は「熱が冷める瞬間に水素結合が再結合して形が固定される」という性質を持っています。この「冷ます」工程を省くと、立ち上がりは一瞬で崩れてしまいます。また、分け目をふんわりさせたい場合は、いつもの分け目と反対側から風を当てて根元を起こし、その後で元の位置に戻すと、驚くほど自然なボリュームが生まれます。

マジックカーラーとドライヤーの温冷風テクニック

マジックカーラーとドライヤーの温冷風テクニック

根元の立ち上げができたら、いよいよカールを作っていきます。マジックカーラーを使用する際は、前髪を床と平行、あるいは少し高めの位置(おでこより上の角度)に引き出し、毛先から根元までしっかりと巻き込みます。

この時、毛先が折れないように丁寧に巻き込むのがコツです。カーラーが根元まで巻かれたら、ドライヤーの出番です。弱温風設定にし、カーラーの正面と左右から、それぞれ3秒ずつ程度、まんべんなく熱を当てて髪内部を温めます。

ここからがプロの技です。温風で髪全体が温まったら、即座に「冷風」に切り替えてください。冷風を全体に5秒~10秒ほど当て、髪の内部温度を一気に下げます。触ってみてカーラー自体が冷たくなっているのを確認してから、さらにそのまま1分ほど放置するとベストです。この「温めて変形させ、冷やして記憶させる」というメリハリが、湿気に負けない強力なカールを生み出します。

カーラーを外す際は、前に引っ張るのではなく、後ろ(後頭部側)に向かって回転させながら抜くと、綺麗なCカールが形成されます。外した直後はカールが強く見えるかもしれませんが、手櫛で優しくなじませると、理想的なエアーバングになります。

カーラーを外した直後は「くるくるしすぎ?」と不安になるかもしれませんが、ほぐすと丁度よくなります。焦らず手櫛で馴染ませましょう!

ふんわり感を一日中維持するスタイリング剤の付け方

ふんわり感を一日中維持するスタイリング剤の付け方

形が完璧に整ったら、そのふんわり感を一日中キープするためのスタイリング剤を使用します。しかし、エアーバングにおいて「重たいオイル」や「水分の多いバーム」の多用は厳禁です。油分や水分の重みで、せっかく立ち上げた根元が重力に負けてすぐに潰れてしまうからです。エアーバングに最適なのは、「キープ力の高いハードスプレー」と「軽めのマスカラタイプ整髪料」の併用です。

スプレーの使い方は「距離」が命です。決して至近距離から噴射せず、顔から20cm~30cmほど離し、前髪の上空に向かってスプレーを撒きます。そして落ちてくる霧を前髪にまとわせる「ヴェールがけ」を行ってください。これにより、ガチガチに固まることなく、空気感を含んだままホールドできます。
さらに、崩れやすい根元の立ち上がり部分や、前髪の内側(おでこに触れる部分)だけに、マスカラタイプの整髪料や指先に取った少量のマットワックスをピンポイントで馴染ませます。これにより、汗やおでこの皮脂による崩れを内側から防ぐことができます。毛先には何もつけないか、ごく少量のヘアオイルを指でつまむ程度に留めるのが、エアリーさを保つ秘訣です。

湿気でペタンコになるのを防ぐプロの修正テクニック

湿気でペタンコになるのを防ぐプロの修正テクニック

朝完璧にセットしても、雨の日の湿気やマスクの蒸気、夕方の皮脂などで前髪がペタンコになってしまうことは避けられない課題です。しかし、外出先でのちょっとした修正テクニックを知っていれば、すぐに復活させることが可能です。まず、ポーチに「フェイスパウダー(透明なプレストパウダー)」を常備しておきましょう。前髪が割れたりベタついたりした際、おでこと前髪の裏側にパウダーをポンポンとはたくだけで、余分な油分と水分が吸着され、サラサラ感が復活します。ベビーパウダーでも代用可能です。

外出先での注意点
濡れた手や水だけで直そうとすると、乾く過程で余計なクセが出たり、うねりが強くなる場合があります。水分を与えるなら必ず乾かす手段(ドライヤー等)がある時だけにしましょう。

もしドライヤーが使える環境(パウダールームなど)にいる場合は、ハンドドライヤーでも修正が可能です。手を少し水で濡らし、ペタンコになった根元を軽く湿らせてから、指で根元をこするようにして風を当て、再度「温風→冷風」の工程を行います。ドライヤーがない場合は、マジックカーラーを巻いて5分ほど放置するだけでも効果があります。また、最近ではUSB充電式のモバイルホットカーラーも販売されていますが、これを使う際も外した後に手で形をホールドして冷ます時間を設けることを忘れないでください。

総括:エアーバングの前髪は「温冷風」のメリハリと根元の操作で決まる

この記事のまとめです。

  • エアーバングはシースルーバングより立体的で空気感があるのが特徴
  • 前髪を濡らしてから乾かす際、左右に振るクロスブローでクセをリセットする
  • ドライヤーはヘアアイロンよりも熱ダメージが少なく髪の水分を保てる
  • アイロンでは出せない「風を含んだ柔らかい質感」を作れるのがメリット
  • エアーバング作りには30mm〜40mmの中太サイズのマジックカーラーが必須
  • ドライヤーはセットノズルを装着し、風を一点に集中させることが重要
  • 根元の立ち上げには下から温風を当て、必ず指で支えて冷ます時間をとる
  • カールの固定は水素結合を利用するため「温風後の冷風」が絶対条件である
  • カーラーを外す際は後ろに向かって回転させながら抜くと綺麗なCカールになる
  • スタイリング剤は重いオイルを避け、スプレーの「ヴェールがけ」を推奨
  • 根元やおでこ側にはマスカラタイプやパウダーを使用して皮脂対策を行う
  • 外出先のベタつきはおでこへのフェイスパウダー(透明タイプ)で復活させる
  • 崩れた時は根元を濡らしてリセットするのが最短ルート
  • 毎日のドライヤー技術の積み重ねが、理想の韓国風エアーバングを作る
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この記事を書いた人

家電好きなブロガー。
ドライヤーの機能や使い方を、みんなにわかりやすくお届けします。

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